昨年は近年まれにみるクソ映画・謎映画の当たり年でした。
おかげで昨年のまとめ記事は当ブログの週間アクセス数ランキングベスト5から一度たりとも陥落することなく居座り続けております。これ来年も落ちなかったらどうしよう。
タイパコスパ至上主義で確実な当たりしか観たくないんだと口では言いつつ実はクソ映画に興味津々という世間の本音が透けて見えるようです。とはいえ実際に正体不明の謎映画を漁りまくる人はほとんどいないので、今年も私が体験したクソ映画の上澄みをご堪能ください。そしてあわよくば見てみてほしい。
ちなみに例年だと「珍作10選」という記事も作るんですが、今回はクソ映画との境界が曖昧なのが多くて悩ましかったので適当に統合してしまいました。なので本数が昨年より多めになってます。
20:荒野のボディビルダーマン
肉密度:★★★★★★
邦題のインパクトが全てと言っても過言ではない謎マカロニウェスタン。
西部劇なのに銃撃戦がほとんどなくて驚きました。銃ではなくマッチョな相棒がガンガン筋トレし、街に巣食う悪党どもをちぎっては投げる。まあ確かに無差別級の肉弾バトルが展開されてはいました。ジャンゴは参加してないけど。一応それなりの規模で撮影しているわりにはだいぶ珍妙な内容で良かったです。
19:ベントマン怒りの停電
ベントマン度:★★★★★★
今年はなぜかベントマン映画が大量に配信されましたが、中でもクセが強めだった刑務所サスペンス。だいぶ酷いけど、これでも年間だとギリここに入れるかどうかレベル。
あまりにも何もかもがテキトーすぎるのだが、どこまでが意図したテキトーさなのか、それともミスリードのつもりなのかがよく分からず惑わされる。そんなこと考えながら観る映画じゃないかもだけど、一応どんでん返し的なものはありますからね。「ミッシング・パーソンズ」もここまで酷くないけど似た感じでした。
18:有閑マダムのお愉しみ
尿溜めすぎ度:★★★
殺人鬼ホラーと思わせておいて、有閑マダムが若い男との火遊びを愉しむ様を延々と見せられる羽目になった途方もない謎映画。サブタイが視聴者に向けた文言に見えて仕方がない。
アイスクリームディッシャーでことを済ませた殺人鬼がゆっくり小便をするシーンがやたら長くて一番印象に残りましたね。
17:いきなり5作目
ドリル使え度:★★★★★★★★
イギリスクソ映画界の女王ルイーザ・ウォーレン監督によるデンタルスプラッター映画。ジャンル的にはレア感があって大変よろしい。
そうは言っても大したグロシーンは存在しないし、何ならドリルも出てきません。
単発作品のように見せかけて実はシリーズ5作目というのもビックリ。旧作は配信してくれないんですかね?
16:脂肪が出た肛門は閉じる事はできない
着替えた回数:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ぐらい
年末にいきなり滑り込んできた驚異のナイジェリア製謎映画。字幕があまりにもわけがわからなすぎるのでクソ映画上級者だろうとおすすめはしません。
ただギャングのおばさんがシーン切り替えのたびになぜか毎回着替えているなど妙な見所はあるので、全く楽しめないということもない。
あと、異様なハイテンションでしばらくわめいていたシーンで、
字幕が一切なかったのに突然
「セッ〇ス」
と一言だけ字幕が出てくるシーンは笑ってしまいました。
何の話してたんだ。
しかし本作を2回観た怒りくまさんによれば、一応それなりに解読可能な内容だった模様。
とても真似できん…
15:海です
海じゃない度:★★★★★★★
超巨大メガロドンがいつも通り水深20センチくらいの浅瀬を泳いでくるZ級サメ映画。昔は「こんなひどい映画を作っている奴がいるなんて信じられない!」と思っていたマーク・ポロニアですが、今じゃそんなに驚けない。いや充分酷いんですけど、もう慣れちゃった。インフレって怖い。
14:激走!殺人丸
いつもと変わらん度:★★★★★★★
ということで今年2本目。こちらはマーク・ポロニアが息子と共に作り上げたクソ映画。タイトルがやけに強かったので期待してたら、何だかんだいつものサメをラジコンボートに置き換えただけの内容でした。いつもより尺の稼ぎ方がやや雑かなとは思いますが、まあいつもと同じような出来に収束。
13:ハゲモリ怒りの火炎放射
ドラゴンじゃない度:★★★★★★★★★
イギリスクソ映画界の元締めスコット・ジェフリーが放つモンスターパニックソ映画。
ハゲワシとコウモリの掛け合わせでドラゴンを名乗るとは実に図々しい。そんなやつハゲモリでいいでしょう。というか別にそんなややこしいことしなくても、コモドドラゴンでも出して「コモドドラゴン・フューリー」とかいうタイトルにしておけばクソ映画マニアはもっと喰い付いたと思うんですよね。
12:ベントマン宇宙進出
ベントマン度:★★★★★★★★★
今年大量に配信されたベントマン映画を全部観た人は私以外にどのくらいいるもんでしょうか。ブルシャーク3部作はサメ映画マニアならみんな観たと思いますが。
その中から一番ひどいのを1本選べというなら私はこれ。
「まさに興奮度マックスの
エンタメ映画の極み!」
とか宣伝しつつほぼ座ってわけわからん話をしているだけでしたからね。まあ今年のベントマン映画では「アンドロメダ」「アンドロメダ2」も似た内容だったので、どれをチョイスするか非常に悩みました。なんせ予告編サムネまで全く一緒でしたからね。
11:メリーおばさんのクモ
SDGs度:★★★★★★★
イギリス製のクサレクモ映画。一見いつものスコット・ジェフリー流やっつけ仕事であるものの、話の流れが「メリーおばさんのひつじ」をまんま使い回しているのがポイント高し。何よりも省エネを優先し、クオリティはひたすら妥協しまくるその姿勢には見習うべきものがあるかもしれません。
10:底抜けに狂気
バスケしたい度:★★
製作陣が重度の薬物中毒に陥っているとしか思えないクレイジーすぎる内容。もはや言葉でそのすごさを分かってもらうのは不可能に近い。サメ映画的には、主人公がサメとバスケで対決するシーンが見所と言えば見所か。ほんのちょっとですがね。
9:おんぶって楽しい!
それ楽しいか?度:★★★★★★★
太陽が落ちて来たので、真空爆弾で太陽を吹っ飛ばそうとするディザスターパニック超大作。もちろんそんなクソ映画を作るのはイギリスをおいて他にありません。
太陽を吹っ飛ばしたら地球もタダでは済まないなんて言ってはいけません。ブラックホールで太陽を吸い込む案もありましたが、それはそれで非常にまずいと考えられます。
というかそれ以前に太陽が接近しすぎて人間などとっくに蒸発しているはずの状態ですが、そんなことよりおんぶが楽しいかどうかが問題です。
8:新解釈・ドラキュラ中国拳法
ちゃんと教えてやれ度:★★★★★★★★
夫を誘拐したドラキュラを倒すため、ヴァン・ヘルシングから頂いた中国武術の本を見て修業する英国淑女。こんな変な映画を作るのは当然イギリス人しかいません。
中国武術の本と言ってもヒゲのおじさんがダンスしてるようにしか見えない挿絵を元にドラキュラと戦えるほど成長する英国淑女がすごい。今年は「シップ・オブ・ザ・ダムド」も配信され、イギリスクソ映画界では存在感が増してきたスティーブ・ローソン&ハナジ・バン・ベンツ作品の中でも最もインパクトのある内容でした。
7:エイリアン VS 牧師
塩分濃度:★★★★★★
若者グループが隣の家に侵入してみたら、そこにはエイリアンの卵が!
なんとエイリアンの弱点は塩だった。
そしてプールの水にも塩分が含まれていた!!
というさすがのブリティッシュ・クソ映画ですが、エイリアンと牧師がボクシングで対決するシーンだけはとても愉快でおもしろい。こういう珍作を発見した時の喜びは何物にも代えがたいものがありますね。もはやイギリスに頭を向けて眠れません。
6:クソ映画・オブ・クソ映画
混ぜるな危険度:★★★★★★★★★
ホラー映画界のフリー素材・アミティビルを舞台にしてしまったデストイレシリーズ番外編(?)。
これほどひどいクソ映画は意図的に作ろうと思ってもそうそう作れるものではなく、もはや一芸を極めた凄みすら感じられるほどにひどい。ただ、視聴者を楽しませようという意思も一応かすかに感じられます。意思だけね。
5:A・J エクストラステージ
実話再現度:☆彡
ボクシングやってる場合か度:★★★★★★★★★★
昨年、イギリスクソ映画界の巨星アンドリュー・ジョーンズ監督最後の作品「エイリアン:バトルフィールド」が配信されました。それをもってドリュさんとはお別れかと思いましたが、まだ残りカスのような未公開作があったようで。無謀にもアルカトラズからの脱出を描いた実録物である本作もまた期待を裏切らない激ヤバ事故物件でした。
4:AIから生まれた
AIすごいけ度:★★★
恐ろしいことに全編AIで生成したデ**ニーっぽいアニメをアマプラで有料配信されてしまう時代が来たようです。まあ今のところ本作しか確認出来てませんが。もしこんなんでアマプラの新着ビデオが埋め尽くされたらヤバイですね。クオリティの方は、自動生成だと思えば時代の進歩を感じられるものの、それで楽しめるかと言われると…
ユニコーンが楽し気に走るたびに入る謎字幕
「頭が激しくズキズキする」
が端的に全てを表している感。
当のAI自身がこの状況に耐えられず、頭痛を起こしているのかもしれない…
3:尺の大半が素材集疑惑
ベガス大好き度:★★★★★★★★★★
本編83分というタイトな尺の中、ラスベガスの風景や空撮映像をなんと73回も映して尺を稼いでくる途方もない虚無映画。しかもその空撮映像も素材集から持ってきた疑いあり。シンプルながら破壊力は抜群です。
2:殺人ピエロ vs 人造人間
「シティ・ラッシュ」シリーズ
イェァ度:彡(゚)(゚)(゚)(゚)(゚)(゚)(゚)(゚)
字幕にふざけた絵文字・顔文字が使われまくりのトンデモサスペンスSFアクション謎映画。アンドロイド刑事が実用化された世界で殺人ピエロと戦う捜査官たちを描く。
「イェァ」としか言ってないのになぜか
こんなAA字幕が出てきてビックリ。
さらに相棒が死にかけているシリアスな場面では無駄に(笑)をつけられてしまい、雰囲気が台無しに!
字幕担当者にこんなあからさまに遊ばれてるインディーズ映画があるとは…
さすがに製作陣が気の毒だなあ…
とちょっとだけ同情してたら、女アンドロイドたちが手からミスティックシールドを出して激しく戦うシーンで大笑い。こんなカオスな謎映画が配信されるからアマプラ謎映画漁りはやめられない。
1:Look at this beautiful ass
ビューティフル・アス度:★★★★★★★★★★
万能精神科医ジェイソンが悪魔ルシファーにさらわれた妻を奪還すべく奔走するオカルトスリラー第2作。
シティ・ラッシュもひどかったが、こちらはもっとひどい!
とにかくもう、
「ニック、これだけは聞いてくれ…
(´・ω・`)
って話が出てます」
このシーンがもう想定外すぎて爆笑でした。
どういう話なのかは全くわからない!
誰か真面目にリスニングしてみてほしい。
何の脈絡もなく
「この美尻を見よ」
と言って迫ってくるオッサンも(´・ω・`)に負けず劣らず強烈で噴き出しました。
直訳でこうなるとしても最近の優秀なAIならそんな訳し方はしないと思うので、やはり人の仕業ではないかと疑っていますが、真相が明らかになることは決してないでしょう。
作品自体のクオリティも相当えぐいのでこの尻字幕と合わせると年間ベストの座にふさわしいかなと思いました。まあ本当は2024年に公開されてたっぽいんですがね。誰も観てなかったからセーフということで。
見事ワンツーフィニッシュを決めたジョージ・トゥーナス作品。
今後も要注目と言えます。
終わりに
今年は昨年ほどのインパクトはないかなあ…と思ってましたが、こうしてまとめてみるとなかなかどうしてそこまで負けてない。本数多すぎて削った作品も結構ありましたしね。
そんな中気づいたのは、クソ映画にクソローカライズが掛け合わされると破壊力が格段に増すという事実です。そして、そういう作品ほど誰の目にもつかないアマプラの深層に潜んでいる。今年からアマプラのUIが劣化して異常にディグりにくくなってしまいましたが、今後も可能な限り発掘していきたいと思います。



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