概要
原題:Tooth Fairy: Drill to Kill
製作:2022年イギリス
配信:トランスワールドアソシエイツ
監督:ルイーザ・ウォーレン
出演:ポーラ・コイズ/サマンサ・カル/パトリシア・マニャス/メグ・マシューズ/ケイト・サンディソン
サミーは校外学習で子供達の引率中に謎の女に襲われた事件のトラウマに悩まされていた。それでも何とか教職に復帰した矢先、自宅にあの忌まわしい女がやってくる。そしてサミーは抵抗虚しく殺害されてしまう。それから2年後、サミーの妹メグも教職に復帰。だが学校でのパーティ中にまたしてもあの女がやってくるのだった。
予告編
感想
itn & ルイーザ・ウォーレン監督という地獄の布陣によるC級デンタルスプラッタームービー。
U-NEXT399Pで鑑賞。
初っ端から「itn」のいつものロゴが出てくるのは想定内ですが、一度消えた後にもう一度出てくるのは不具合か編集ミスとしか思えず不安感を煽られます。そんなところでいきなりやらかす映画は初めて観ましたからね。それとも主人公の消えないトラウマをitnロゴで暗に表現しているのか?
さらに、いかにも単発のホラー映画みたいな邦題でありながら実はこれシリーズ5作目だったんですよね。2作目か3作目ならまだ時々あるけど、5作目からはさすがに珍しい。前作の惨劇を生き延びた元主人公がトゥース・フェアリーに再度襲われて死亡するという続編あるあるクソ展開が20分もかけて描かれ、その後ようやくタイトルバック。なんちゅう構成だ。
学校が舞台で教師が主人公なのに、生徒が一切出てこない不自然さも気になる。いや、こんな映画に子役を使っちゃいけないと思うのでまあいいんだけど、じゃあなんで主役を教師にしたのかが疑問です。その辺の事情はやっぱり過去作を観ないと分かりませんかね。
不自然と言えば誰も警察に通報できないのも異常に不自然です。
「スマホの充電が切れてる!通報できない!」
「スマホ忘れた!通報できない!」
「充電忘れてた!通報できない!」
「充電するって言ったのに!!!」
いっそのこと通報については何も触れない方がまだましではないか。
トゥース・フェアリーはかなり不気味なマスクを被っているのにまるで普通の保護者が来たかのように平然と対応する守衛さんもすげえ変でしたね。かと言ってコメディ的な雰囲気は一切ないし。何から何までテキトーな作りです。
おまけにこれ「殺人ドリル」という邦題なのに、ドリル…使ってなくない? いや、原題からして「Drill to Kill」なんだけど、とにかくドリルの出番はありません。トゥース・フェアリーのメインウェポンは普通にナイフ、あとはせいぜいノミとトンカチ。別に超自然的存在でもなく、ただのやばい人間です。確かにお口の中を執拗に攻撃してはいるけども。
英国クソ映画界の女帝ルイーザ・ウォーレン作品とはいえ、「デンティスト」以来の抜歯にこだわる殺人鬼はネタとしては悪くないじゃないかとちょっとだけ期待したんですが、これはちょっといいところがなかった。
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