概要
原題:MOTORBORT
製作:2023年アメリカ
発売:ニシクラ/コンマビジョン
監督:アンソニー・ポロニア/マーク・ポロニア
出演:ジェフ・カーケンドール/ティム・ハッチ/ケン・ヴァン・サント/マーク・ポロニア
ペンシルベニアの静かな湖に隣接する田舎町では、「闇教団」なる怪しい団体が暗躍していた。その脅威を案じたある神父が闇教団を二丁拳銃で葬り、湖の底深くに沈める。町は平穏を取り戻したかに見えた。だがそれから1年後、湖にプロペラで釣り人を狙う謎の船型兵器・殺人丸が現れる。
予告編
感想
原題が「モーターボート」と素っ気なさすぎるせいで、いつにも増してヤケクソじみた邦題を付けられる羽目になったマーク・ポロニアとその息子アンソニーによる新作Z級映画。もちろん今回もDVDを予約購入いたしました。
内容的には、いつものサメ映画のサメを単なるオモチャのボートに替えただけとしか言いようがない至極安易なやっつけ仕事。もはや面白いとかつまらないという次元を超越した一種の伝統芸能として楽しんでいます。
キラーボートはラジコンかと思ったけどよく見るとチープすぎてラジコンかどうかも怪しい場面も? そんなもんでホラー映画一本でっちあげてしまうポロニアの剛腕には毎度ながら感心。
まあいつも同じようなサメ映画ばかり作っていたらサメ映画ファンにも飽きられますからね。たまにはボートで目先を変えるのもアリではないでしょうか。考えてみればボートが襲ってくる映画なんて地味に見た事がなく、乗り物系ホラーにおいて新ジャンルを開拓したとも言えます。
「闇教団」による黒魔術的な儀式でボートが殺人丸と化す。対抗するのは十字架や聖水、聖書の力となっています。それはいいとして、クライマックスで聖書を読み上げる時間があまりにも長くて笑ってしまう。本作はいつにも増して露骨な尺稼ぎが多く、ただひたすら歩いているだけのシーン、同じ風景、回想という名のシーン使い回し、意味もなく寝ているポロニアを何度も映す、全く何の意味もなく殺されるポロニアなどほぼ水増しオンリーで構成されていると言っても過言ではない作り。その「なりふり構わなさ」自体でもう笑ってしまいます。
今回は私が本作を観ている脇で格闘ゲームのネット対戦に興じている人がいたのですが、
「聖書の朗読が始まったあたりで試合になったけど、
ひと試合が終わってもまだ朗読していて笑った」
「合間にチラ見しているだけでも内容全部把握できて笑った」
とのことでした。
このように、ポロニアのクソ映画は人々に笑顔をもたらします。
これからも末永く作品を供給していただきたいものですね。
ただ、息子さんは別の道に進んでもいいんだよと言いたくなりますが…こんな仕事で稼げるとなれば継ぎたくもなるかな…。いや、本当に稼げているのか分からないけど。
「マーク・ポロニアの殺人丸」(Amazon Prime Video)
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