「復讐のブルドーザー」 感想 見れば見るほどラスベガス

概要

原題:Bulldozer

製作:2021年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:マイケル・ラザール

出演:マイケル・ラザール/ブレンダン・ウォルシュ/デューイ・クーパー/リアン・タバーズ/ リオ・ヴァレンティン


ラスベガスで自動車修理工場を営むニックは、経営不振で破産寸前に陥り、妻にも愛想を尽かされかけていた。すると、偶然にも工場の前で麻薬の売人たちが銃撃戦の末に全滅してしまう。ニックはその場に残された金と麻薬を持ち逃げし、密かに売りさばくことを目論む。だが、その背後には彼をつけ狙う何者かの影があった。


予告編

感想



今月から配信開始のitn製ノワールアクション謎映画。


ほぼ誰も知らんと思うけど、昨年「逃走トランスポーター」で私の心にそれなりの爪痕を残してくれたマイケル・ラザール製作・監督・脚本・主演。



U-NEXT399P、アマプラ299円。



ゲームバーlettuce702にて恒例と化しつつあるZ級映画鑑賞会でなんとなくチョイスしました。

今回のラインナップは



①「ゾンビ・オブ・ザ・デッド2」

②「逃走中 THE MOVIE:TOKYO MISSION」

③ 本作

「逃走トランスポーター」



でしたが、悪名高い①と②を遥かに凌ぐほど予想外にレベルの高いアレっぷりを見せつけてくれて我々大歓喜。と言っても絵面的にはひどく地味だし、内容自体は渋いノワール系なので一人で観てたらそこまでウケてたか分かりませんが、酒を飲みながらクソ映画仲間と観る分には爆笑に次ぐ爆笑が巻き起こるスバラシイ作品でした。



思わずその直後に「逃走トランスポーター」を再見・比較してしまうほどにね。ちなみに本作に比べたら「逃走~」は実にマトモな作品でした。製作時期はかなり近いのにマイケル・ラザールに一体何があったというのか。



ちなみにですが、ブルドーザーは当然のようにまるで影も形も出てきません。予算規模的にそりゃ出せるわけないだろなとは思いましたけど、原題も一応「Bulldozer」なんですけど…

あと、この内容で


「正義を積み込んだエンジンが

今、唸りを上げる!」


っていう煽り文句もスゲェ。



ほんで内容ですが、くたびれた中年の自動車修理工であるニックがたまたま売人たちから奪った大量の麻薬を何とかさばいて金にしようとあちこち駆け回る…的な雰囲気。わりとよくあるタイプの話ではあります。



ただ会話が、何かカッコつけすぎて回りくどくなっていちいち要領を得ないというか、状況的に重要な会話をするのかと思ったら実質どうでもいい雑談を繰り広げることが多く、ストーリーを把握するのにも一苦労です。感覚的には「ビッグフットVSクランプス」を見ているようなセリフ回しと言っても過言ではない。



ということで把握するのは途中で諦めました。

最後の最後に何か得意気にどんでん返しをかましてきたけど、何がどうスゴイのかよく分からんかったなあ。と思ったら上に貼った予告編で思いっきりそこをネタバレしてるので別にどんでん返しではないのか?



しかしそんなことより本作が際立っている理由は、



まるで呼吸をするかのように異常な頻度で同じパターンの映像が入りまくることです。



一番多いのはラスベガスの空撮映像で、体感的には1分に1回かそれ以上の頻度で挿入されていたと感じます。序盤はそうでもないんだけど、途中からあまりに多すぎて映るたびに笑ってました。





↑これはフリー素材だけど、まんまこういうやつ。夜景だけでなく朝昼夕と揃ってる。

本作で使われている空撮映像もおそらく素材集からゲットしたものと思われます。

つまり下手すると尺の大半が素材集。



空撮の後はほぼ毎回同じアングルで車内からニックを捉えた画になり、

ほぼ毎回電話が鳴ります。

空撮と同じくらい電話で話すシーンが多い。


その合間には


同じ信号機や金網が何度も映り、


隙あらば同じような空撮を挟み、







今度は飛行機が飛び立つ

あるいは着陸する映像がたびたび映り、


また同じアングルで車内が映り、

時には意味もなく駐車場をグルグル回り、


そうしているうちにまた電話が鳴り、


ほんの少しでも間が空いたらすかさず空撮映像を

あわよくば数パターンまとめて挟み、









たま~に銃撃戦が始まって



「おっ!ついにまともな見せ場が来たか!?」



と思ったら驚くほど一瞬でぶった切るように即刻終わってしまい、

(特に女の売人が撃たれるとこ)

何が起こったのか分からずマジで混乱させられながらまた同じ空撮映像を拝まされる…



そんな尺稼ぎパターンがひたすらローテーションしている、

途方もないケッ作でした。



とはいえよほどのクソ映画マニアでないとテンションは上がらないというか普通にかったるいだけの虚無映画に見えると思いますので、その点は充分覚悟したうえでご覧ください。




「復讐のブルドーザー」(Amazon Prime Video)



追記



なんと702店長が空撮回数などをカウントしてくれてました!

昨晩観たばっかりなのにお疲れ様です。

それにしても空撮だけで73回もあったのか…

尺は83分なのでおよそ1分に1回というのもわりと合ってましたね。

本当に凄い映画だった…






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