2021年 好事家的映画ベスト10





恐ろしいことにもう2021年が終わろうとしています。2002年が既に20年前という現実に心が追い付かない。年を取れば取るほど1年が短くなっていく。つまらない映画を漁って人生を浪費している場合ではありません。


今年は195本の新作映画を観ました。

去年よりはちょっと少なめか。


私は映画に限らず集計されたランキングにはあんまり興味が湧きません。そういうのはただ少数派が切り捨てられて多数派の声がはっきり可視化されただけじゃないかと思っています。



そういう意味では私のベスト10はこの世の誰ともかぶらない尖ったものになっているはずですので、参考にはならずとも見て面白い並びにはなっているのではないかと思います。まあ1位は順当な作品ですが。



あと、私は普段は映画に点数を付けていませんが、この時だけは私の好み度を「星」で何となく表現していきます。あくまで私個人の好みであって、別に客観的評価でも何でもないのでその点はご注意ください。




10位 長寿のいけにえ



「呪われた老人の館」



ホラーなのに主人公が老人で舞台が老人ホームというだけでもユニークで面白い。小説だったら「銀齢の果て」のような過激なのもありますが、ホラー映画ではそんなにないですからね。ストーリー展開もひねくれたオチも老人ならではという目新しさがあり、楽しめました。






9位 都会は怖い



「ラストナイト・イン・ソーホー」


★★


私はこういうオシャレ系はあんまり得意ではありませんが、そういうイモ侍をも黙らせるくらいのハイクオリティ。劇場でとなりに座っていた80歳ぐらいのおじいちゃんに「私初めて映画館に来たんですよ」とか何とか話しかけられて驚いたんですが、懐古趣味が入ってるだけに普段映画を観ないご老人さえ惹きつける魅力があるのだなと感心しました。





8位 割れたら最期



「アイス・ロード」


★★★


7月に「ファイナル・プラン」、11月にこれ、そして年明け早々に「マークスマン」とやたらハイペースで乱発されまくっているリーアムニーソン・アクション。そんな中これは粗製乱造感もなく、特に前半の「氷が割れたら死ぬ」という緊迫感と困難なミッションに挑むトラックドライバーのプロフェッショナルな雰囲気が良かったです。





7位 惨劇大盛り



「クライモリ」


★★★★


このシリーズはすごくジャンクなホラーという印象を持っていましたが、このリブート作はとても丁寧で気合の入りまくった高級な作りで驚きました。「どこまでやるのこれ!?」っていう長大なボリュームにも目を剥いた。すごく小規模な公開だったのが実にもったいない。っていうかこれと「アイス・ロード」があの「食人雪男」よりもずっと小さいスクリーンでの上映だったのが未だに不思議なんですが。





6位 惨劇特盛り



「ハロウィンKILLS」


★★★★★


2回目のリブートの2作目という普通なら超グダグダになりそうな頃合いで、ストーリー的にも迷走寸前なカオスっぷりを漂わせながらも圧倒的パワーで押し切ってくれたことに喝采したい。今どきスラッシャーでここまでクオリティの高い作品はそうそうないですよ。ジェイソンもフレディもレザーフェイスも最近あまり出番がないし、マイケルは恵まれてる方だなあ…と思います。





5位 理想的労働環境



「ウィリーズ・ワンダーランド」


★★★★★★


近年のニコラス・ケイジ主演作の中では出色の一作。

映像と音楽が良いのとニコケイのキャラが笑えるだけで中身はなんもないです。

だが、それがいい。





4位 生き延びる力を身につけろ



「ザ・テスト 護身術」


★★★★★★★


今のところアマプラ謎映画史上最強の珍作。流れるような頭のおかしい展開に我が目と頭を疑いました。全くノーマークだっただけにそのインパクトが絶大すぎてついこんな上位に置いちゃいました。邦題も好きですが、原題の「Fatal Defense」ってのも何かカッコイイ響きで良い。


ただ、よそのレビューを読む限り、単なる低クオリティなテレビ映画にしか見えない人もけっこういるようなので取り扱いにはご注意ください。観た人自体もめちゃくちゃ少なそうなんですよね。


しかし普通の映画に飽きてる好事家にはたまらないものがあると思いますので、そういう方にはぜひ試してみていただきたいです。ただまあそんなに構えて観るもんではないので、忘れた頃に何となく鑑賞してもらうのが望ましいかな。





3位 あほんだらしばくぞ~



「アフリカン・カンフー・ナチス」


★★★★★★★★


アフリカでナチスとカンフー対決。なんという奇抜すぎる食い合わせか。一見どうしようもないポンコツZ級映画ですが、ガーナ人俳優たちの身体能力がえらい高くて格闘アクション映画としての見ごたえもバッチリあるのが素晴らしい。ふざけた関西弁の字幕もやけに作風に合っており人々を笑顔にしてくれます。


この作品はアマプラ配信にとどまらず全国で劇場公開されるという奇跡のアフリカンドリームを成し遂げ、さらに日本中に空前のアドンコブームを巻き起こしました(何人飲めたか知らんが)。私も名誉ガーナアーリア人の一員として3月に発売される限定ボックスは予約済みであります。






2位 サメの音だわ!











「えっ?サメ男」


★★★★★★★★★


DVDもサブスク配信もなく期間限定のニコニコ生放送でのみ観られたという激レアなクソサメホームビデオ(一応来春にソフト化するという噂はありますが)。どこの配給会社にも拒否られるとか一体どんだけ酷いクソサメホームビデオなのかと覚悟して観てみたら、意外にも激しい情熱の燃焼が画面から伝わってくるではないですか。さらに斬新なアイデア満載で金がないなりに工夫を凝らしまくっており、クソサメ愛に満ち満ちた異常に秀逸なクソサメホームビデオになっていました。虚無的なクソ映画はただつらいだけですが、こういう愛が詰まったクソはもうほんと大好きです。ただしあくまで映画未満のクソサメホームビデオには違いないので、もしご覧になる際はそのつもりでどうぞ。






1位 驚天動地の新次元ホラー




「マリグナント 狂暴な悪夢」






   

          



今年のベストどころか5年に1回あるかないかぐらいの衝撃を受けたと言っても過言ではないほどの素晴らしすぎる作品。予想通りなのに予想を激しく飛び超えてくる離れ業にはもはやひれ伏すしかない。これを劇場で鑑賞することができて本当に良かったなと思います。家の小さいテレビじゃ衝撃も薄れますからね。それにこれがなかったらサメ男が今年のベストになるところでした。





次点など


「ウィッチサマー」

「アオラレ」

「ザ・スイッチ」

「スペル」

「ワイルドスピード ジェットブレイク」

「Mr.ノーバディ」

「RUN/ラン」

「悪魔のビンゴカード」

「シン・ジョーズ 最強生物の誕生」



次点はこのあたりです。

去年まではアマプラ配信作が上位に来ることはあまりなかったのですが、最近は配信作品の中にも素晴らしい作品が散見されるようになってきました。ありがたいというかもったいないというか…「スペル」あたりは劇場公開してもおかしくないかなと思いましたが。あと「ザ・テスト 護身術」はできればソフト化してほしいんだよね。


コメント