「えっ?サメ男」 感想 究極のクソサメホームビデオ

概要

原題:JAWS OF THE SHARK

製作:2012年スウェーデン

発売:しなさそう

監督:グスタフ・リュンダール

出演:わからん


森のキャンプ場で残忍な殺人が発生。探偵が調査すると、それはサメの身体を持ちながら陸上を二足歩行する驚異のモンスター・サメ男の仕業と判明。だがサメ男と一戦交えた探偵はさじを投げてしまう。後任のハンター・ブルはサメ男と対決するために入念な準備をするが、スーパーカーに乗ったサメ男の不意打ちを喰らう。


予告編


感想



7月某日、「ニコ生ホラー百物語」という企画でZ級サメ映画を24時間流し続けるという情報が入ってきました。調べてみるとそのラインナップがあまりにも殺人的に過酷でして、


「コマンドーシャーク 地獄の殺人サメ部隊」

「えっ? サメ男」

「ジュラシックシャーク」

「ジョーズ・イン・ジャパン」

「Shark Exorcist(デビルシャーク)」


映画界を人体に例えるならさしずめここはノロウイルス感染中の肛門か。考えうる限りほぼ最恐最悪のカードが揃えられております。ただし「コマンドーシャーク」だけは比較的マシな方なのでこれを「ロスト・ジョーズ」にするとより完璧でしたが、さすがに企画側もそこまで鬼ではなかったようです。とはいえこんなものを連続で摂取しようものならどんな聖人だろうと間違いなく発狂に至るでしょう。


…しかし、よく見るとその中に見知らぬタイトルが混じっているではないですか。なんだ「えっ?サメ男」って。確実に初見のはずだが、どこか既視感が…










別にシリーズ作品というわけではないようです。


聞くところによると本作はあのコンマビジョンにすら配給を拒否されたとか。「ウィジャシャーク」だの「電脳鮫」だの「ランドシャーク」だの「スノーシャーク」だの「サメデター(予定)」だのといったわけのわからんZ級クソサメ映画を嬉々として密輸入していたあのコンマビジョンが…!日本での配給権が切れた「デビルシャーク」「フランケンジョーズ」の権利を赤字覚悟で買い取ったあのコンマビジョンが…!?

では誰が権利取得したのかというと、中野ダンキチ氏という映画評論家の方が個人でやってくれたとのこと。世の中には途方もない慈善家がいるもんですな。


しかしコンマビジョンでも拒否したとは、いったいどれほどのサメ地獄を拝ませていただけるのか。少なくともスノーシャーク以下は確定しているわけだ。

そういやスウェーデンのサメ映画なんて初めてなんですよね。北欧初のサメ映画かな?



ということで「コマンドーシャーク」を再見させられた後、ついに先ほど「えっ?サメ男」を鑑賞できたわけですが…



これが意外にもすごくおもしろい。こんなことがあっていいのか。信じられん。クオリティは異常に低くて完全にホームビデオなんです。冒頭で監督が自ら「これは玄人向けの映画だよ」と警告してくれるだけのことはある。20年前のデジカメで撮影したのかと思うくらいに悪い画質!適当にぶった切られるBGM!雑なSE!どれを取っても超ZZZ級。それに出演者はみんな監督の友人・家族だそうなので本当にホームビデオと変わりません。


尺はたったの1時間3分。しかしえらく濃密な1時間3分です。製作者のやりたいこと、魅せたいものがギュッと凝縮している感。チープな素材を駆使して不可能を可能にしていくアイデア力。どこを切ってもクソサメホームビデオマニアを唸らせる創意工夫に満ち満ちている。これこそが真の芸術ですよ。


この調子で感想文を書いていくと何万文字になるのか見当もつかないのであとは箇条書きにて簡潔に記させていただきます。



・キャンプを襲うサメ男はサメの身体にあんよが生えたカワイイ系ゆるキャラ風味。つぶらな瞳がたまらない。素材はたぶん紙とか布。


・襲われた人がいきなり雑な人形になったり、引きずり出された内臓が紙製だったりする。


「犯人はサメで武装している」と推理する探偵。


・容疑者として連れてこられるレザーフェイスとジェイソンとゴーストフェイスとマイケル。なぜかサメ男よりこいつらの方がクオリティは高い。


・人間をサイフで釣り上げるサメ男。


・コック帽にエプロン姿で人間の切り身をお皿にのせ、お箸で食べるサメ男。


・サメ男から車で逃げようとする探偵。だがサメ男が車にしがみつき、ホームビデオのくせに迫真のカーアクション&銃撃戦を見せてくれるのには驚いた。運転しながらサメ男に噛み付く探偵。プイ!キュイ!とかわいいSEを鳴らしながら攻撃してくるサメ男。たまらん。


・主人公かと思いきやいきなりさじを投げていなくなる探偵


・主役を引き継ぐのは、サメ男を倒すべく入念に準備するハンター・ブル。だがそこにスーパーカー(ダンボルギーニ?)で激しく乱入するサメ男。ホームビデオらしからぬド派手なアクションに度肝を抜かれる。


・それを聞いて「サメの音だわ!」と叫んでスローモーションで駆け寄ってくる金髪水着美女。サメ映画史上最大の謎発言&珍演出に震える。


・なんやかんや勝利するブル。敗れたサメ男を治療する研究者たち。手術中のBGMが料理番組のそれにしか聞こえず、異常にほのぼのとした空気に満ち満ちている。


・強化されて復活したサイバネ・サメ男と再戦すべく、電卓にパスコードを入力して秘密の武器庫に入っていくブル。小技の利かせ方が確かに玄人向け。


・鳥の鳴き声入りまくりの異常にのどかな森でチェーンソーを振り回す脅威のモンスター・サイバネ・サメ男。謎スローに美しき青いドナウの調べに乗せて野郎を掘りまくる。


・チェーンソーを圧倒する最強武器「その辺の木の枝」


・発射されたライフル弾をアップで追い続ける驚異のカメラワーク


・粉砕される牛


・サメミキサーで脳みそシェイク


・エンドクレジットで激しく踊るサメ男



本作がどれほどのケッ作であったかこれで少しでも伝わったでしょうか?

これが今のところニコ生配信のみでソフト化はおろかアマプラやネトフリでの配信予定もないというのが実にもったいない! DVDとTシャツのセットを出してくれたら3枚買いますよ。私だけではなくニコ生のコメントを見ている限りみなさん大ウケのようでしたので確実に需要はあるはず。コンマビジョン様で無理なら竹書房かAMGさんあたりご検討よろしくお願いいたします。


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