「ワイルド・スピード ジェットブレイク」 感想 そして宇宙へ

概要

原題:Fast & Furious 9/F9:The Fast Saga

製作:2020年アメリカ

配給:東宝東和

監督:ジャスティン・リン

出演:ヴィン・ディーゼル/ミシェル・ロドリゲス/ジョーダナ・ブリュースター/タイリース・ギブソン/クリス・“リュダクリス”・ブリッジス/ナタリー・エマニュエル/サン・カン/アンナ・サワイ/ルーカス・ブラック/ジョン・シナ/ヘレン・ミレン/カート・ラッセル/シャーリーズ・セロン/マイケル・ルーカー


前回の事件から数年後、ドムは田舎で妻子と共にひっそりと平穏に暮らしていた。だがある日、ミスターノーバディから救難信号があったことを知らされる。空路で何者かに襲われ、積み荷を奪われたというのだ。墜落地点へ向かったドムたちは軍隊に襲撃される。その積み荷は世界を支配することができる超兵器だった。


予告編

感想



一体どこまでインフレするのかカーアクションシリーズ9作目。

どうでもいいけどサブタイは「マグネティックフォース」とかの方が良かったのでは。

今回はなんとあのマイケル・ルーカーが参戦! …と思ったけど戦ってはいなかった。



私は本作をあえて「セミマゲドン」の鑑賞直後に見に行ってみました。手作りセミを釣り竿で操作する超極貧Z級映画の直後に、ハリウッドアクションの頂点を極めた超A級大作カーマゲドン。かつてない振れ幅に私の脳も大混乱。マゲマゲドンドン。この映画、セミマゲドンの製作費などたった1秒で消費しているかのようです。いや、せっかくだから真面目に計算してみるかな。セミマゲドン2万5千ドルに対し、本作は2億ドルとのことなので…尺は145分だから…マジで1秒弱で消費してますね。なんてこった。



このシリーズは6作目あたりから毎回思ってしまうことですが、スケールがでかすぎます。今回も「世界中のどんなコンピュータでも乗っ取れる超兵器(笑)」を悪者の手に渡すまいとドムたちが暴れまくり、果ては宇宙にまで飛び出してしまう。これは「シャークネード」シリーズと同じような軌跡をたどっているように見えなくもない。となると、次回作では車の神が出てきたり、ドルフ・ラングレンが登場したり、あるいは2万年後にタイムトラベルするかもしれません。



ドムたちはすっかり走り屋ではなくミッションインポッシブル的な集団に。それどころか序盤からどっかの敵国の軍隊がゾロゾロやってきて激しすぎるドンパチを繰り広げる様はすでに戦争映画の領域に片足突っ込んでます。時速130キロで地雷原を駆け抜け、ボロい吊り橋も駆け抜け、崖をダイブしてジェット機とドッキング&ターザンロープ。爽快感は満点ですが、いくらなんでもやり過ぎでカートゥーンアニメみたいな雰囲気に。



全体的にガシャーンドギャーンと激しくぶつかったり飛んだり転げ落ちたりとどう考えても車の中の人(主にドム)もグチャグチャになって死ぬだろと突っ込みたくなる超絶ど派手なカークラッシュシーンまみれですが当然のように無傷。慣性の法則など知ったこっちゃありません。過去回想でドムの父がレース中にクラッシュして事故死してますが、急にそんな常識的な死に方を見せられても逆に戸惑いますよ。なんであんたはその程度で死んじゃうの。3作目でクラッシュして死んだはずのハンも実は…とまた復活してますし。



ジェットエンジンをわざわざ車(?)に乗せて宇宙にまで飛び出してしまう本作ですが、何のためにそこまでしたのかよく分かりませんでしたね。敵の衛星を破壊したいとか何とか言ってたけど…別に人間を乗せた車じゃなくても良かったのでは…。まあそんなことを言っても仕方ないんですけどね。前作を上回るアクションを見せることが目的になってるようなので。でも本当に宇宙の次はどうするんだろうね。次の敵はいよいよプレデターかな。



シャークネードが4作目でファイアネードやカウ・ネードといった変わり種を出してきたのと同様に(?)、本作もマグネットパワーを駆使した変化球でカーアクションの新境地を見せてくれます。走っている車すら勢いよく吸い寄せるほど強力な電磁石のスイッチを入れたり切ったりして周囲の車やモノを巻き込み、ド派手な破壊行為を繰り返すドムたちは恐ろしいほどの大迷惑珍走集団と言えます。おもしろいからいいけどさ。世界を救うためとはいえあのカーチェイスの影で一般人が何人ミンチになったのか、被害額は一体何億ドル出ているのか想像もつきません。



今回はドムの弟を軸にした人間ドラマが繰り広げられていましたが、そっちの方はわりとどうでも良かったかな…。次回作ではCGでブライアンを復活させたいと監督が言っているようなので、本当にそんなことができるならカーチェイスよりそっちに金をかけてほしいかなと思います。どっちみちこれ以上派手なカーアクションなんて不可能だろうしなあ。


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