「スペル(2020)」 感想 足の裏超絶悶絶大激痛

概要

原題:SPELL

製作:2020年アメリカ

発売:パラマウント・エンタテイメント

監督:マーク・トンデライ

出演:オマリ・ハードウィック/ロレッタ・ディヴァイン/ジョン・ビーズレイ


父親が亡くなったとの知らせを受け、家族を連れて自家用飛行機で故郷の村へと飛んでいたマーキス。しかし、嵐で飛行機が墜落してしまう。マーキスが目を覚ますと、そこは見知らぬベッドの上だった。だが、助けてくれたバアさんは実はフードゥの怪しい呪術師であった…


予告編

感想




飛行機で田舎に墜落し、助けてくれたババアがとんでもなくやべえ奴だった!!という田舎系呪術ババアホラー。サム・ライミの同名呪術ババアホラーとは全く関係ないようです。



劇場公開クオリティのA級映画にしか見えませんが、これもコロナのせいで配信スルーになってしまったようです。実に残念ですね。これを映画館の大スクリーンで観ていたらトラウマものの強烈な描写があったというのに。いや、家の小さいテレビでも充分トラウマになるかな。



足を怪我した男(マーキス)が、一見世話好きだが実は頭が狂っているバアさんに監禁されるってことで、かなり「ミザリー」っぽいシチュエーションです。あれも監禁されてる作家先生がミザリーにハンマーで足を折られるという激痛ショックシーンが有名ですが、本作ははっきり言ってケタが3つぐらい違う。足を折られる痛みが1万hanageくらいだとすると、本作は1000万hanageぐらいの大激痛なんです。ショック描写がインフレしてるなあ。



一緒に墜落した家族を探させてくれなかったり、何食わぬ顔で人肉料理を食わせてくるキチガイババアの家から何とか逃れようと、痛む足を引きずりながらスニーキングするマーキス。飛行機が墜落した時から既に彼は足に重傷を負っているのです。しかしあえなく捕まってしまったことで、ミザリーどころではないおぞましい懲罰がマーキスを襲う!!



いやーあれは痛いなんてもんじゃないよね。長さ15センチ以上はあろうかという途方もなく長くてぶっとい釘を足の裏に打ち込まれるっていう…。しかも貫通してなかったから、かかとの近くからスネにかけて突き刺さっていたことになりますよ。不幸中の幸いなのは意識のない間に打ち込まれたことですか。



しかし、それを自分でメリメリと抜くシーンの痛々しさと来たら、もう…ホラー映画史上に残ると言っても過言ではないぐらい凄まじい。血が流れてくるだけでなく最後には何かよく分からん白い汁が出てくるのもなんかエグイ。とにかくあの釘の長さには目を剥きました。もしこれが劇場公開されてたら「サンゲリア」の目玉串刺しを超える話題性があったんじゃないかと。



しかもそれだけじゃ終わらせないからこの映画は凄まじい。死ぬ思いで釘を抜いたマーキスはババアの留守中にとられたスマホを探して家の中を捜索するが、見つけたと思ったらちょうどババア(と夫)が帰ってきてしまう。「もし釘を抜いて家の中を歩き回ってたら、足を切り落としてやる」という物騒な会話が聞こえてしまったマーキスは慌ててベッドに戻り、その釘を…



…ヤバイですね。抜くシーンだけでもお腹いっぱいなのに、さらにそれを上回るドギツイ痛みを与えてくるとは想像もしなかった。しかも、また抜かなきゃならんわけだし。あの釘何往復したんだ? こんなにも容赦のないホラー映画は初めてかもしれません。とはいえあれはさすがに人間が耐えうる領域ではないだろうし、本当にやったら確実に失神すると思いますが。いや、気の弱い人だったら見てるだけで失神する人もいるかもしれませんよこんなの。



…ということで、釘の話ばかりしてたら肝心のフードゥ呪術について語る余力がなくなってしまいました。まあその辺も真っ当なオカルトホラーとしてかなり楽しめるクオリティなので、ホラーファンはぜひチェックしておくべき映画かなと思います。

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