概要
製作:2024年日本
配信:humanピクチャーズ
監督:寺西一浩
出演:寺西優真/SIZUKU/GOD/山本リンダ/ダンカン/大村崑/長谷直美/松尾伴内
元同期の結婚式の時間を間違えた警視庁捜査一課刑事の剣木善治とお目付役の鶴本沙羅は、新婦のドレスが切り裂かれた現場に遭遇。謎解き好きの剣木は、沙羅の目が光るなかでも犯人探しをやめられない。そんななか、新郎の父がナイフで胸を刺され…。
(↑U-NEXTより)
予告編
予告編じゃなくて記者会見でした。なんだそれ
感想
寺西イズム炸裂のトンデモ刑事ドラマ。
1話24分の全8話構成。
タイトルこそ没個性的に見えますが、
に勝るとも劣らない、
凄まじく途方もない内容に腰を抜かしました。
まずオープニングテーマがやたらハイテンションな山本リンダと寺西優真の
デュエット版「どうにもとまらない2024」
で視聴者を笑顔にさせてくれます。「SPELL3」ほどの昭和感じゃないけど、刑事ドラマのテーマ曲とは思えないノリ。
主人公剣木と相棒のSIZUKUが知り合いの結婚式で遭遇したウェディングドレス切り裂き事件からの殺人事件を捜査する。
かなり地味な導入だし、ほぼ座ってしゃべっているだけなのでそんなに変な内容にしようがないだろう…と思いきや、そうは問屋が卸さない。
多分誰も怒らないと思いますので、ある程度ネタバレしながら書くことにします。
もしこれから観ようと思っている人がいたらご注意ください。
まずは第3話のサブタイトル
「不穏な焼肉」
でひと笑い。
こんなの予告で真面目に読み上げられたら吹くって!
内容もだいぶ様子がおかしく、なぜか剣木刑事が有名な高級焼き肉店で新婦の養父母(ダンカン&山本リンダ)と一緒に食事しながら事情聴取をする。
この養父母、結婚式当日のお昼にこの焼き肉屋を予約していた模様。娘の結婚式が午前10時からとしても、そのあと速攻で自分らだけ焼き肉屋に行くつもりだったと。
そんな両親いる? 養父母とはいえ…
ましてや新郎の父が殺される大事件が発生したのに、傷心の娘をほっといて予定通り高級焼肉を堪能しているとはいくらなんでも神経が太すぎないか。
そもそも事件から何時間も経ってないのにこいつらを式場から出していいのか?
剣木刑事も一緒に焼肉食べてていいのか?
いいわけないんですが、殺人現場となった結婚式場は特に閉鎖されることもなく出入り自由。わけのわからない私立探偵が助手を率いて首を突っ込んでくるし、他の招待客もすぐ帰ったようです。
しかしそんなのは序の口に過ぎません。
後半、
衝撃の第6話
が視聴者の脳天を直撃する!
式場で新婦の友人・梨花が
自分の彼氏を刃物で刺し、そのまま刃物を突き付けている
という大きな山場を迎えます。何の前触れもなく。
新婦のウェディングドレスを切り裂いたのは梨花なのか?
新郎の父親が殺害された件との関係は!?
なんて常識的なことを考えながら観ていたわけです。
しかしこの梨花さん、
あまりに突拍子もないこと
を激白。
梨花「式が中止になったから
早めに家に帰ったら
彼氏がいかがわしい動画なんて見てたの!!」
梨花「別に私だって
動画見てるくらいで刺したりしないのよ。
でも、私とは2年もレスなのよ!!!」
刑事「そのショックで逆上して?」
死にかけの彼氏「バッカじゃないの…」
これはさすがにリアルで
「何それ!!?」
と叫んでしまいました。
いかがわしい動画を見ていたから刺した!?
そしてそのままなぜか式場まで来ちゃった!?
何してんのこの人たち!
正直サスペンスドラマでここまでアレなクライマックスは初めて観たと言わざるを得ない。
…
…
ドレス切り裂き事件とも
新郎父殺人事件とも
何の関係もないのかよ!?
結婚式に呼ばれてない彼氏は
なんで式場に逃げてきたんだよ!
途中で捕まらずによく来れたな!
近所なの?
このシーンを観た誰もがそう突っ込んだはず。
とはいえネット上には見当たらないので誰も6話まで見てないのかもしれないし、
あるいは私が夢でも見ていたのかもしれません。
…が、本筋の事件と全然関係ないと見せかけて?
実は大いに関係のある話だったのです。
点と点が、誰も想像できない角度から繋がってしまう。
梨花の彼氏が観ていた「いかがわしい動画」に出ていたのは、
なんと新婦。
「実は新婦がセクシー女優だった」
という衝撃の事実が明らかに!
こんな経緯で!
そして、
ドレス切り裂きも
新郎父殺人事件も
すべてはそれが原因で起きたことだったのだ!
何それ!
マジで何それ!!
いや~実にエキサイティングなドラマだった…
「~if~ 警視庁捜査一課 剣木善治」(Amazon Prime Video)
↑例によって原作小説も読みました。
ほぼ同じ内容ですがいかがわしい動画業界についてかなり掘り下げており、問題提起的な雰囲気もあるものの、よりアダルティな内容となっております。
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