「レイクサイド・スクリーム 脱出不能」 感想 カルトの湖畔

概要

原題:Lake Artifact

製作:2019年アメリカ

配信:アマゾンプライムビデオ

監督:ブルース・ウェンプル

出演:キャサリン・ダダリオ/トーマス・ブラズル/アンナ・シールズ/クリス・シンパーマン/ ディラン・グラン


静かな湖畔のコテージに遊びに来た若者グループ。車の故障を直してくれたヒッチハイカーを加え、楽しい週末を過ごせるはずだった。だが、撮った覚えのない集合写真が現れたのを皮切りに次々と奇怪な現象が発生し、帰ろうにも道がループして脱出不能な状況に陥っていた。


予告編

感想





「タイムトラベルZ」


「ドーン・オブ・ザ・ビースト 魔獣の森」


の、ブルース・ウェンプル監督作品。ということを知らずに観たんですが、アマプラ謎映画にしては破格の面白さで驚愕しました。この監督は打率が高いと思って良さそうです。パッと見Z級並みに安っぽいけど、ちゃんとしてる!すごい!


…まあ前日前々日にとてつもないクソ映画を連続で観たおかげで感覚が狂って極端な貧乏舌になっているので「会話、ストーリーの流れが理解可能」「照明やカメラワークがまとも」というだけでも素晴らしい傑作に感じてしまうのに、そのうえ「魅力的な謎を提示」してくれるとあってはもう感涙にむせび泣くレベル。



内容は、人里離れた湖畔へ遊びに来た若者グループが、半世紀前のカルトを発端とする怪現象に巻き込まれるというもの。



まずうまいと思ったのが、定番の若者グループに怪しげな初対面のヒッチハイカーを混ぜたことです。たったそれだけのことでも前振りにサスペンス度が増し、ただ遊んでるだけのシーンでも緊張感が出てきます。怪しげと言っても、ただ巻き込まれただけの普通の人にも見えるし、実に絶妙なさじ加減。



そこで起こる怪奇現象もなかなか興味を惹くものになっていて良いです。飲み明かした翌朝、全く撮った覚えのない集合写真が出てきたり、そこを離れようとしても道がループして脱出不能になってたり、消えた仲間が**になって帰って来たり、それを知った女の子がおかしな行動をとるようになったりとユニークな展開が連続し先が読めません。



かつてそこでカルト団体が凄惨な殺し合いをやらかした曰くがあり、本筋の合間合間にそれについて語るじいさんやカルト幹部?のインタビューなどが意味深に挟まれます。そこらへんから真相は各自で察してねという感じなので後半になっても分かりやすく謎を説明してくれることはありません。なので中盤は曖昧というか茫洋とした雰囲気でちょっと不安になりましたが、クライマックスはそこまでわけわからんということもなく充分楽しめました。配信スルーの謎映画はほんとに当たり外れが激しいな。


コメント

異質な匿名さん さんのコメント…
どうしようわからんかった……
私が馬鹿すぎて最後までちゃんと把握できんかった…
たすけて…
理解したら面白いだろうに…
解説おたのみもうす…
岩石入道 さんの投稿…
>異質な匿名さん

私も何となくの雰囲気で楽しんだだけなのであまり細かいところまでは全然理解してませんが、まあ何となくの大雑把な解釈でよければ…

歴史学者他にインタビューしているのはおそらく生き残ったトーマスかトミーだと思われますが、その学者が言うには

「全ての行動に対して新しい現実が生まれる
あの別荘はそれらの世界が交差する場所だ」

ということなので、あそこには別の時間軸からやってきたトミーたちが現れたりとパラレルワールドを形成して重なり合ってる的なわけわからん状況で、さらにその中で

「生きて出られるのは一人だけ」

というルールが判明し、トミーたちの間でもかつてカルトがやったような殺し合いが勃発してしまう。3日目のトミーはグレースから逃げ回ってただけで自分で手を下すことなく最後の生き残りになる。

ただ、正確には生きて出られるのは「それぞれの時間軸から一人だけ」というルールだった。グレースは別の時間軸からやってきたトミーたち4人を射殺してしまったため、その時間軸での生き残りは何も知らないトーマスということになった。

トミーはそんな1日目のトーマスと共にパラドックス・レイクから解放されたと気づいてエンディング。最後の「クソ」には色んな意味が込められていそうですね。