「デイ・アフター・トゥモロー2021」 感想 極寒地獄+ウイルス

概要

原題:APOCALYPSE OF ICE

製作:2020年アメリカ

発売:プライムウェーブ

監督:マクシミリアン・エルフェルト

出演:エミリー・キリアン/ラミロ・リール/トリー・リチャードソン/ジェイク・ホーリー/タニア・フォックス/トム・サイズモア


2021年、世界はなんかのウイルス感染により危機的な状況にあった。そのうえ、北極で大規模な気象変動が発生。強大な寒波が凄まじい勢いで南下を始める。パナマでウイルス治療薬を開発した科学者のジルは、治療薬を守るため安全地帯であるエクアドルを目指すが…


予告編

感想




毎年恒例のアサイラム製氷結系ディザスターパニック最新作。


ただ、今年はいつものとは一味違ってただの氷結地獄ではなくそこに「ウイルス感染」を取り入れた意欲作となっております。ディザスターにパンデミックを重ねてきた映画はこれまでになかったはず。これはもしかしていつものよりは期待してもいいのではないか!?



…と思ったのですが、いつもの「科学者が安全地帯へ逃げる」から「科学者が治療薬を守りながら安全地帯へ逃げる」になっただけで、別にいつもと何も変わり映えしませんでした。というか、くそ寒いうえにウイルス禍に見舞われているのは私の住んでる街も同じなんですよね。わざわざ映画で観なくてもリアルタイムで体験してますよっていう。



例によってなぜ巨大寒波が発生したのかはテキトーに科学者が何やかんや専門用語を連発してケムに巻いてくるのですが、中でも「とてつもない量の真水が北極梅に流れ込んだ」というセリフはアレですね。「北極梅」ってどういうミスなの? 



で、主人公のジルがウイルス治療薬を持ってエクアドルへ逃げるのがミッションとなるわけですが、彼女が言うには「事故ったら人類絶滅」なんだそうです。なんとなくいつものより緊張感が出そうな設定に聞こえる。しかし、言ってるそばからツルっと滑って高い崖から真っ逆さまに転落! パナマにはこんな危ない道路があるんですかね? ガードレールすらないのか? 



どう見てもフロントから地面に激しく激突。これはもう人類絶滅でしょう。…と思ったら、ジルも治療薬も無傷っていう。あんな高い崖から派手に転落しといてそれはないだろ…?と突っ込んだら負けなような気がしてきました。



なお毎回恒例ですが、ジルの身内の一般人が別の所で遭難しておりそちらの描写にも無駄に尺が割かれますが、全く何の意味もありません。水増しの仕方もそろそろ違うパターンを編み出してくれないかな。絶対零度をも遮断する遺体安置所には笑いましたけども。


さらに毎度のことですが、ジルたち以外の人類が不自然なほど全然登場しません。すでに人類は滅んでいるんじゃないのと突っ込みたくなる。というかそういう設定にすりゃあいいのに。



あとこれも毎度のことですが、そもそも全然寒そうに見えないという致命的な問題があるんですよね。普通に草木が生い茂ってるし、吐く息が白いわけでもないし。天気もいいし、絶対気温プラスでしょ。そんな申し訳程度に雪が積もってる程度の地域で「デイ・アフター・トゥモロー」ごっこをやられても、リアルタイムで極寒地獄に晒されている道民からすると暖かそうに見えてしょうがない。



クライマックスは、崖でうっかりチャックを開けたままカバンを投げてしまい、零れ落ちたウイルス治療薬を間一髪で掴み取るシーン。なんちゅうくだらんマッチポンプで盛り上げようとしているのか。さすがにこれは前作「アルマゲドン2020」なんかのクライマックスシーンと比べても相当ひどい。もはやあきれて声も出ませんなあ…


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