「スカイ・シャーク」 感想 ついにドイツ人までもがサメ映画を

概要

原題:Sky Sharks

製作:2020年ドイツ

発売:ギャガ

監督:マーク・フェーセ

出演:トーマス・モリス/バルバラ・ネデルヤコーヴァ/エヴァ・ハーバーマン


フランクフルト行きの旅客機が突如空を飛ぶサメに乗った何者かの襲撃に遭い、墜落。その頃、北極にてナチスの巨大戦艦が発見される。なんとそこではゾンビが操る空飛ぶサメの兵器が秘密裏に開発されていたのであった…。


予告編

感想




予告編だけは何年も前からyoutubeに上がっていたドイツ製のクソサメ映画がとうとう完成し、我が国へ侵攻してきました。これが意外にもDVDスルーではなく東京のとある劇場では先月から朝イチ限定で上映されており、北海道とかいう未開の土地に棲む私は「これが地域格差か」と夜な夜な枕を濡らしていたのです。まあ、一か月もしないうちにレンタル開始になったので別にいいですけどね。



それより、問題は内容です。

滅びたはずのナチスが実は密かに生き延びており、なんかすごい秘密兵器を使って現代社会で暴れまくる!!みたいな話。こういう映画はわりとよくあります。最近だと「アフリカン・カンフー・ナチス」とかですね。もうあの鉤十字とかチョビ髭はあまりにもその手の人々にオモチャにされすぎて陳腐化しているきらいすらあります。おかげで私の中ではすっかりナチス=笑いのアイコンと化しており、たまにはシリアスなホロコースト物でも鑑賞しないとダメかな…?と不安になってくることが無くもない。



まあナチスのことはさておき本作に出てくるサメについてですが。「スカイ・シャーク」「海の餌は喰いつくした!」などとうそぶいても、空を飛ぶサメなんて今どき珍しくも何ともないんですよね。サメという生物はとっくの昔に陸海空を制覇済みどころか宇宙、夢の世界、霊界、電脳界にも進出しており、最近ではむしろ飛んで当然という風潮さえあります。



ただ、本作のサメはナチスが生み出した超能力ゾンビ兵士を背に乗せており、団体行動で旅客機を襲うという点で見た目にはそこそこユニークではある。というか、非常にコストがかかってる感じがします。どこからこんな愉快な映像を作る金をひねり出したのか。



正直言って本作のストーリーはグダグダで超退屈で激しく眠気を催したんですが、その代わりスカイシャーク軍団が旅客機を襲うシーンの超スペクタクル&超グロスプラッターな見せ場だけはものすごい。完全にこれを魅せるためだけの映画です。ゾンビ兵士が旅客機を破壊し、零れ落ちた乗客にスカイシャークが喰らいつく!! しかもむやみやたらとグロい。ドイツ人は本当に病的にグロを追求する民族だな。パッケージにトム・サヴィーニの名前があったので予想はしていましたが、あの人未だに現役でこんな仕事してるんですね。



これには劇場で観た観客もさぞかし興奮したことでしょう。都民がうらやましい。まあ上に書いた見せ場以外は本当に眠たい映画だし、妙にクソマジメではっちゃけ切れていない感じもするし、受け付けない人も相当いそうではありますが。何だかんだ言って本作もまた「ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦」のような一点突破型のクソサメ映画だったと言えます。まあ霊界ザメほどの常軌を逸した破壊力はありませんでしたが、それでもクソサメ映画マニアならば愛せる逸品でしょう。


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