「ドリームキャッチャー 呪われた魔除け」 感想(ネタバレあり) 人をイライラさせるのがうまい

概要

原題:Dreamkatcher

製作:2020年アメリカ

発売:ハピネットピクチャーズ

監督:ケリー・ハリス

出演:ラダ・ミッチェル/ヘンリー・トーマス/フィンレイ・ヴォイタク・ヒソン/リン・シェイ/ジュールス・ウィルコックス


母親を失い精神を病んでしまった少年ジョシュは、父親とその恋人のゲイルと共に故郷の家へ帰ってくる。だが、到着して早々に父親が仕事で離脱。ジョシュはゲイルと気まずい日々を過ごす中、怪しげな魔除けを手に入れる。それは夢の中で母親になりすまし近づいてくる邪悪な何かであった…


予告編

感想



ドリームキャッチャーと言えばスティーヴン・キング原作のアレを思い浮かべますが、こちらは「Dream Catcher」ではなく「Dreamkatcher」。まがい物ってことですかね。ということでこちらは特にエイリアンとかは出てこないただのオカルトホラーとなっております。



導入は上の概要に書いた通りですが、正直ちょっとあり得ないシチュエーションです。


母親が亡くなって精神を病んだ少年ジョシュが、父親の新しい恋人ゲイルとド田舎の故郷の家に2人きりで数日間も置き去りにされるっていう。なんかすごく気まずい。当然ジョシュはゲイルに冷たく当たるし、ゲイルもイライラしまくりでヒステリックに怒鳴りつけたり。こんなん観ていて不愉快な気分にしかなりませんよ。



多少ネタバレになりますが、しかもその家はジョシュの母親が殺された場所であると後に判明します。父親は当然知ってたわけですが、そんな重大なことを隠して幼い息子と自分の恋人を数日間もそこに放置できる神経が全く分からん。休暇を楽しみたいならどっか全然関係ない観光地をセレクトすべきなのでは…。



さらにジョシュは近所の小屋で怪しげな魔除けを手に入れてからどんどん行動が陰湿かつ攻撃的になっていき、ついにはゲイルの飲み物にガラス片を入れてしまう。心理学者でもあるゲイルはジョシュがもう手に負えないほどメンタルを病んでおり、ただちに医者に見せるべきだと判断。が、そこでやっと戻ってきた父親は休暇を楽しむことしか頭になく「息子は大丈夫だ!全部君の思い込みだ!」の一点張り。



これほどアホで無能なボンクラ野郎もそうそう目撃できるもんじゃないですよ。こういう状況を作ってしまったこともそうだし、そのうえ仮にも心理学者の所見に全く耳を貸さないとはどういう了見なのか。今まで散々放置して手遅れになってから「息子と二人で過ごしたいんだ!」ってさあ…



しかもそれだけではなくゲイルの認識もまた間違っているから困る。ジョシュはメンタルを病んで攻撃的になったのではなく、近所の小屋で手に入れた魔除けのドリームキャッチャーに憑りついた悪魔に乗っ取られておかしくなったんです。なのにそういうオカルト現象をまっっったく認めず、あくまでジョシュ自身の心の問題と決めつけて疑わない。なので父親もゲイルも見当違いなことばかり強硬にわめくもんだから観ているこっちもイライラしっぱなし。まあホラーは人をイヤな気分にさせてナンボですから、こういうのもアリ…か?



毎度のごとく近所のキ〇ガイばあさんなのかと思われたリン・シェイが実は一番まともだったという展開にはある意味驚きました。それなのに父親もゲイルもリン・シェイのことを散々キ〇ガイばあさん扱いしおって…



そんな感じで散々不快な心持ちにさせられた揚げ句、ラストは理解不能でした。何あれ。結局何も決着がついてないじゃないか。何とか逃げのびたゲイルが魔除けを森に埋め、ジョシュは悪魔に憑りつかれたまま彷徨ってるってこと?? だとするともうあの魔除けはただの抜け殻のはずだけど、また違う子供が思わせぶりに掘り起こしてるし。あまり考えてもしょうがないかな。


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