「ランドシャーク 丘ジョーズの逆襲」 感想 見よ、マーク・ポロニアの神髄を

概要

原題:Land Shark
製作:2017年アメリカ
発売:コンマビジョン
監督:マーク・ポロニア
出演:サラ・フレンチ/ピーター・バルド/キャサリン・スー・ヤング/ジェフ・カーケンドール/ジェームズ・カロラス/オースティン・ドラゴビッチ

カリフォルニア沿岸で、謎の変死事故が多発する。その頃、マルコ海洋研究所のルシンダは、サメ達が水槽から消えていることに気付く。水槽と海は繋がっていない、まさか陸を!?上司のフォスター博士に伝えると、研究所の真の目的を聞かされる。それは遺伝子操作により殺人サメを開発し、軍事兵器として供給する事だった。さらに、この計画に協力するよう脅迫してくるのだった...
(↑公式サイトより)

予告編



感想


クソ映画界の帝王マーク・ポロニアの新作クソサメ映画がコンマビジョン様の尽力でやっと日本に入ってきました。私は知らなかったのですが、クラウドファンディングでDVD化が実現したらしいです。知っていたら私も腎臓の2つや3つくらい売っぱらって財を献上したんですがね。気づかなかったのが悔やまれる。それにしても、クラウドファンディングでそんなにカネが集まるほどマーク・ポロニア監督マニアが日本にいるとは心強い限りです。

ただ、本作はGEOやTSUTAYAには全然並んでないんですよね。これは嘆かわしい。「アルマゲドン2020」とか「2020 世界終焉の日」みたいな駄作は喜んで何本も仕入れるくせに、なぜ帝王ポロニア入魂のケッ作を仕入れてくれないのか?さっぱり分かりません。仕方なく宅配レンタルで借りましたが、そんなことしなくても一日遅れでネット配信もされてました。本作に限りませんが、配信するかどうかはもっと早く告知してほしいかな。

さて、コンマビジョン様といえば「つらくても最後まで目を離すな!」(猿の帝国)みたいな面白いジャケットを制作してくれる愉快な酔っ払い…いや配給会社ですが、本作の場合

「海を泳ぐのは飽き飽きだ!」
「エラ呼吸にさようなら」
「みんなでランラン、ランドシャーク!」

などと一見斬新な煽り文句が並んでおります。しかし、よく考えなくてもこれは結構時代遅れな文言。今どき海を泳いでいるサメなど絶滅危惧種ですし、エラ呼吸どころか呼吸すらしてないようなサメ型モンスターが業界の主流となって久しい。最近のZ級で言えば「ハウスシャーク」も「コマンドーシャーク」も当たり前のように陸の上が舞台です。

というか、マーク・ポロニアの過去作「フランケンジョーズ」の時点でもうすでに陸へ進出してるしエラ呼吸も卒業済みなんですよね。細かいことは忘れましたが、フランケンジョーズは手足を生やして草原を駆けていたようなイメージがあります。

果たして今さら陸での活動を売りにした丘ジョーズがフランケンジョーズや元祖陸ザメの「ビーチシャーク」等を超えることができたのか。



で、本作のストーリーですが…
サメを改良して陸へ進出させ、世界中の政府が欲しがるような殺人サメ部隊を開発しようとしている研究者たちが、逃げ出した丘ジョーズを追う…みたいな話でした。

まあ、話はどうでもいいんですよね。
「デビルシャーク」みたいな支離滅裂なやつに比べたらまだ理解可能な分だけ親切ですが、内容は全く無い。酒でも飲みながらじゃないと観ていられません。

そんなことより丘ジョーズの出来栄えですが、これは完全に期待通りのポロニアクオリティ。ストップモーションアニメなのか?ただハリボテを合成しているだけなのか?レベルが低すぎてもうよく分かりませんが、この壮絶なチープさには好事家を興奮させる魔力のようなものがあります。ガオ~とやってきてはイチゴシロップみたいな汁を激しく飛び散らせる襲撃シーンはたまりませんな。クソ映画は山ほどあるが、ここまで徹底的にクソを極めてくれれば逆に価値が上がってしまうという奇跡のような味わい。これがマーク・ポロニアの帝王たる所以なのです。


もちろん見どころは丘ジョーズだけではない。例えば丘ジョーズを追う科学者たちの持つ、丘ジョーズ探知レーダー。どう見てもその辺のゴミ捨て場から拾ってきた年代物ラジコンのプロポにしか見えません。しかもやたらピーピーうるさい。せっかくポロニア作品にしてはまともっぽいBGMがついてるのに台無しです。細部に至るまでクソ度を高めることに余念がない、その姿勢は見事です。

さらに、科学者たちは謎のビーム銃で丘ジョーズと戦います。毎度ながらすごくオモチャっぽいアイテムに笑いを禁じ得ない。まあ、そこは「猿の帝国」で使っていた異音を発するビーム銃ほどのインパクトはありませんでしたが。


あと、本作はいつものポロニア作品と違ってロサンゼルス西海岸でロケをしているんですね。他のサメ映画で何度も見たような風景が出てきます。たぶん「ジョーズ・イン・ツナミ」とか「ジョーズ・リターン」とかと同じところっぽいし、さらに公式サイトによれば「シャークトパス」「シャークネード」とも同じだそうです。まさにクソサメ映画の聖地。

しかし、本作に限ってなんでそんなにお金をかけることができたのか。まさかの空撮映像まで出てきます。本物のサメもちょっとだけ映る。科学者はBMWで丘ジョーズを追跡する。これはすごいお金かかってる!

でも、よく考えたら「フランケンジョーズ」も「ジュラシック・ビースト」も日本でしっかり配給されているわけで、そう考えると結構な収益が出ていてもおかしくないのかもしれません。ま、ロケなんかやるよりもまず丘ジョーズの造形に金をかけろよと言いたいところですが、それをやらないからこそのポロニア節というわけですね。


ということで、今さら陸ザメではいまいちインパクトに欠けるのではないか?という懸念を見事一蹴したランドシャーク。これは「フランケンジョーズ」「ビーチ・シャーク」をも圧倒する超クソサメ映画と言っても過言ではない超絶クソっぷりで大満足の出来栄えでした。これはもう歴史に残る名作クソサメ映画でしょう。全クソ映画マニア必見です。


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