「ザ・ビースト」 感想 人間はともかく、インコは撃たないでほしい

概要

原題:PRIMAL
製作:2020年アメリカ
発売:アルバトロス
監督: ニコラス・パウエル
出演: ニコラス・ケイジ/ファムケ・ヤンセン/ケビン・デュランド/マイケル・インペリオリ/ラモニカ・ガレット

野生動物を捕獲し動物園に売りつけるハンターのフランクは、希少価値の高いホワイトジャガーを捕らえることに成功する。その後プエルトリコ行きの貨物船に乗り込むが、そこには移送中の凶悪テロリスト・ラフラーも収監されていた。監視係を殺して脱走したラフラーは、ホワイトジャガーや毒蛇の檻を解放し船を混乱に陥れ、逃走を図るが…。

予告編


感想





今月のニコラス・ケイジ枠。
しかし本作はいつものショボくれた酔いどれサスペンスと違って、私の大好きなアニマルパニックです。そういえば考えてみたらニコケイはこれだけ手当たり次第にB級映画に出まくってるわりには今までアニマルパニックには一切出てなかったのではないか。これは珍しい。

ジャケットにはメインのホワイトジャガー以外にもゴリラ、オオカミ、クマ、大蛇とオールスターなキャストが描かれており、アニマルパニックに飢えたマニアの血を騒がせてくれます。


……が、実際観てみたらゴリラ・オオカミ・クマは一切出てきませんでした。ヘビは小さいし。アルバトロスお得意の賑やかし詐欺ジャケだった。もう何度騙されたことか。今更怒る気も起きないけどさ。

代わりに出てくるのはバク、サル、コンゴウインコなど。バクはともかくサルは結構暴れてましたね。
あと、インコ類の出番が多いのはインコ好きにはうれしい。ニコケイに懐いていたコンゴウインコのなんと可愛いことか。作中ではオウム扱いされてましたが、冠羽が無いのはデカくてもオウムではなくインコです。

ただ、凶悪テロリストのラフラーが無抵抗のインコたちを撃ち殺すシーンがあったのはいただけない。本作のニコケイもインコ大好きおじさんなので首絞め拷問よりもダメージを受けて速攻で海図のありかをゲロってましたが、観ている私にもかなりのダメージでした。人間が喰われたり殺されたりするのは全然構わないというかむしろどんどんやってほしいんですが、鳥はいけない。まあ直接画面には映らんからまだ良かったけど。


一応アニマルパニック要素もあるとはいえ、メインはやっぱり凶悪テロリスト・ラフラーとニコケイとの対決でした。ホワイトジャガーもこれだけジャケで存在感をアピッているわりには逃げ回ってばかりで大した活躍もない。ハンターらしく弓矢とか吹き矢で戦うニコケイというのもなかなか目新しくて楽しいものですが、それでも結局いつものニコケイクオリティ・サスペンスアクションの枠に収まってしまったかなという印象です。ジャケの期待値が高すぎた。

まあ、いつもよりはやさぐれてないし、軍服着て撃たれるラストじゃないし、ニコケイ以外にもファムケ・ヤンセンというスター級の役者が出ているし、ここ最近のニコケイ作品の中では一番面白かったかなとは思います。CGのクオリティもそこそこ高い。午後ローで放映されてるのを何となく観る、という出会い方が出来れば幸せになれるタイプの映画でしょう。

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