「コマンドーシャーク 地獄の殺人サメ部隊」 感想 人類はサメ映画欠乏症から救われた

概要

原題:Post Apocalyptic Commando Shark
製作:2018年アメリカ
発売:アマゾンプライムビデオ配信
監督:Sam Qualiana
出演:Simeon Qualiana/Mick O'Keefe/Andrew Elias

19XX年、世界は核の炎に包まれた。新生ソヴィエト軍のマッドサイエンティストがサメのDNAを利用し地獄の殺人サメ人間を創り出してしまう。それに対抗するニュー・アメリカ抵抗軍は犬のDNAを研究し正義の犬人間を開発しようとするが…

予告編



感想


こっちのブログに移って来てから5か月が経過しましたが、その間ただの一本もサメ映画がリリースされることはありませんでした。思い返してみれば「ホワイトシャーク」が出たのが去年の7月。かつてこれほどまでに長くサメ映画を摂取できなかったことはない。既にサメ映画欠乏症も末期的状況。私も表向きは今までどうにか平静を保っていましたが、その裏では極めて重い禁断症状に悩み苦しまされていたのです。
一体いつになったらサメ映画を補給することが出来るのか?

頼みのシャークネードはもう完結してしまった。
シックスヘッドジョーズはあれ以上アタマを増やせそうにない。
NU IMAGEはとっくに雲散霧消。
サメの惑星はあまりウケなかった。
ディープブルー2は全力でコケた。

もうサメ映画の時代は終わってしまったのか。





否、終わってなどいない。
サメ映画の製作そして発掘に情熱を燃やし続ける同志たちがいる限り…。

ということで今日はコレです。




これはなんと素晴らしい…異常にカッコよすぎるジャケットイメージ絵ではないか。
絵柄はもちろん邦題や煽り文句の付け方から配置まで全てが完璧、これぞ天才の仕事だと賞賛せざるを得ない。
DVDが出ていないのがあまりにも惜しい。
レンタル屋に並ぶコマンドーシャークが見たかった。


もちろん見た目だけではなく、中身も死ぬほどエンジョイ&エキサイティングな内容です。

核戦争後の荒廃した世界で新生ソヴィエト軍とニュー・アメリカ抵抗軍が激突するというかつてないほどスペクタクルな超大作。ヘリやジェット戦闘機が飛び交うド派手な戦闘シーンが最新の合成技術で実にかっこよく描かれます。

しかも、そこに超リアルなサメの頭部を持った合成サメ人間が参戦してくるわけです。これは誰にも成し得なかった超人的発想。ただの銃撃戦にサメの噛み付きという斬新な添加物を混入させることで謎のシナジー効果を創出し、迫力と戦略性を大幅にアップさせた驚異の演出力。

さらに、アメリカ軍の対抗策が犬人間というのも見逃せない。サメに対抗するのがイヌ。これもまた常人には到底理解しかねる発想です。人間の想像力には限界などないのだということを思い知らされます。また、クライマックスで青いタヌキのひみつ道具を活用する柔軟性さえこの映画は魅せてくれます。さり気なく日本市場への目配せを仕込んでおくのも忘れないとは、なんというサービス精神なのか。

しかも、人間のキャラクターも異常に個性的。
例えば「伝説級のバカだがオムレツの腕は一級品」な奴とか、「釘のようにタフだが蜜のように鈍い」奴とか「サメに舌を奪われて以来無口」な男など、今までに全く見たこともないような癖の強い登場人物がモリモリ出てくるのです。「次は一体どんな奴が出てくるんだ!?」という興味だけでも最後まで飽きることなく楽しむことができるでしょう。


極めつけに、本作は字幕が途方もなく秀逸です。
本作の原語の繊細なニュアンスをそのまま日本語に変換することは絶対に不可能と思われるのですが、そんな困難な仕事を完璧以上に成し遂げてしまっている。

「世界は私の前にヒレ伏すだろう」
「白身は味わいがフカいぞ」
「年貢のおサメ時のようだな」

これには脱帽せざるを得ない。
マジでほめるところしかない。

今からでも遅くはないから全国で劇場公開するべきでしょう。こんな大ケッ作がアマゾンプライムビデオの奥底にひっそりと埋もれているなど人類にとって嘆かわしい損失でしかありません。

と思ったけど劇場公開はさすがに難しいだろうし署名運動とかも別にしませんが、せめてDVDは出して頂きたいですね。デビルシャークのDVDが存在するのに本作のDVDが出ないのはおかしい。私も気が向いたらもしかしたら買うかもしれませんので、竹書房さんかコンマビジョンさんあたりどうかよろしくお願いします。




最後に一応付け加えておくと、本作の最大の見所は誰が見ても絶対に間違いなく
「ルーレットを回す猫」
です。
猫好きな方はお見逃しなきよう。

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