「カッコウ」 感想 カッコウは邪悪な生物か?

概要

原題:Cuckoo

製作:2024年ドイツ・アメリカ

配信:Universal Pictures

監督:ティルマン・シンガー

出演:ハンター・シェイファー/ヤン・ブルートハルト/マートン・ソーカス/ジェシカ・ヘンウィック/ダン・スティーヴンス


両親の離婚により、母親と2人暮らしをしていた17歳のグレッチェン(ハンター・シェイファー)。あるきっかけで、気の進まないまま父親のルイス、義母のベス、そして2人の娘である妹のアルマと、ドイツの山奥にあるリゾート地へ移り住むことに。到着した一家を待ち受けていたのは、謎めいたホテルオーナーのケーニヒだった。口のきけないアルマに対し、不可解な興味をあらわにするケーニヒ。グレッチェンは、その静かなリゾート地に強い違和感を覚えてゆく。

(Amazonより)


予告編

感想



今月からアマプラで配信され、わりと話題になっていた作品。

2026年になってから初めてマトモなクオリティの映画を観たような気がします。そのせいもあってか非常に楽しめました。なんせ最近Z級寄りのヤバい映画ばかり観てましたからね。とはいえ本作も変な尖り具合では決して負けていません。これは立派な珍作です。



私はかなり鳥好きな人間ですが、カッコウって微妙なんですよね。その辺で見かけるわけでもないし、何よりあの「托卵」という習性がものすごくイメージが悪い。そのせいで「ヒナがおぞましい姿をしてる」だの「不気味」だの「キモい」「怖い」だのとほとんど邪悪な寄生生物みたいな扱いを受けてます。



まあ確かにそれはそう。される側にしてみればね。とはいえ、カッコウは体温を一定に保つ能力が低いので托卵せざるを得ないという説が有力だそうで。大体、托卵するのはカッコウだけじゃないですしね。野生動物の生存戦略に対して人間様の倫理観であれこれケチをつけるのもいかがなものかとは思います。リョコウバトやドードーを絶滅させた人間の方が万倍邪悪でしょう。



それはそれとして本作についてですが、主人公グレッチェンは父親が迎えた後妻と義理の妹に愛情を奪われて居場所をなくしかけている状況。それを托卵になぞらえたタイトルになってるのかなと最初は思ったんですよね。人身売買やってそうなおじさんも出てくるし、ヒトコワ系スリラーなのではないかと。



ところが、時間操作系のスタンド能力としか思えない攻撃を仕掛けてくる謎のグラサン女が出現し、雲行きが怪しいというか非常にわけの分からない展開になってくる。見た目とダッシュの早さが「ウェポンズ」のババアと似てるので同じネタなのか、精神汚染的なやつなのか、本当に時間系SFなのか、それともただの不穏さの表現演出なのか、全く分からない。やたらゲロ吐く人が出てくるので感染ゾンビ系の可能性も否定できない。



私も色んな変な映画を観てきてますが、ここまで先が予測不能だと感じた作品は滅多にないです。観ていてうれしくなってきましたね。何が飛び出すか分からない奇怪な映画を求めて日々謎映画を漁っているわけですから。








以下ネタバレあり







…で、満を持して明かされるその正体


「ヒト・カッコウ科」


にはもうお口あんぐりですよ。

カッコウの托卵が怖いからホラー映画にしよう!というアイデアをこういう方向性で膨らませてくるとは相当いかれてます(誉め言葉)。



明かされると言っても特に大した説明はないのでヒト・カッコウが何なのかは結局よく分からない。とりあえずヒトに托卵するやばい生物だけど保護してやらないと絶滅の恐れがあるってこと、人間に悪意を持つ存在ではなく共生の余地もある?…といった感じで、カッコウのイメージをより悪化させる意図はない優しさみたいなものが感じられなくもなく、その点は良かったかなとは思います。



別に見た目にカッコウ要素はないんですが、それもその一環なのかな。これでいかにもキモい風貌の鳥人間がヒトに托卵してたら実際のカッコウに対するイメージは取り返しがつかないほど悪化するかもしれませんからね。まあ私も別にそこまでカッコウの肩を持ちたいわけではないですが。




「カッコウ」(Amazon Prime Video)


コメント