「キングゲーム」 感想 果てしなく支離滅裂

概要

製作:2009年日本

発売:ファントム・フィルム

監督:江川達也

出演:石田卓也/芦名星/窪塚俊介/前田愛/ジェリー藤尾/木村佳乃


妙な作りのホテルに集められた10人の男女。彼らは全員初対面であったが、なぜかいきなり和気あいあいと「王様ゲーム」を始める。それを見ている何者かに採点され、スコアが悪かった者は夕飯をジャガイモひとつにされたりするのだ。それを10日間続けて、最後に勝利した者には望みの物が与えられるらしい。だが、採点基準は誰にも分からないのだった。


予告編

感想



先日、この足袋(鮫人)さんのつぶやきを見て速攻でDVDを購入してきました。







メルカリで探したらたった440円でこれは安い!タダみたいなもんだぜ!と喜んでポチったけど、よく見ると送料込みで1100円でした。そんなに安くなかった…



ちなみに「ゲームマスター」「占いゲーム」もこの人の発信から知ったので、実績から言ってかなり信頼度の高い情報源となっています。日本のデスゲーム映画ソムリエと言っても過言ではない。



それで内容の方ですが、「ゲームマスター」「占いゲーム」「Q」よりもさらに果てしなく支離滅裂です。これは期待していた以上に刺激臭の強い逸品。常人ならひと嗅ぎで卒倒することでしょう。しかも他の3作よりも圧倒的にお金がかかっている。しっかり全国で劇場公開されており、監督も出演者も著名人である点でより濃厚な狂気を感じさせてくれます。



見知らぬ男女10名がホテルに監禁され、キングゲームという名の命をかけたデスゲームを強いられる……なんて話ではなく、本当に単なる王様ゲームを始めてしまう。



まあ私もド陰キャなので王様ゲームなんてやったことないですが、普通の人は結構やってるものなんでしょうか。クジ引いて何番と何番がキスするとか、ポッキーゲームするとか…リアルでもただ辛いだけのような気がするんですが。



画面で知らない人たちがそんなことをやっていても意味がないと気が付いたのか、途中でそこがホテルではなく航海中の豪華客船だったということになります。そんなの初日で気づくだろ!今まで全く揺れてなかったとでも言うのか!?というツッコミはさておき、今度は嵐に見舞われ座礁して救命ボートに乗らなきゃ!!と急にディザスターパニック方面へとジャンル転換。



なんでいきなりそうなる?と戸惑いつつ、王様ゲームよりは面白い展開だから別にいいか。と思ってたら、やっぱり面倒臭くなったのか急に嵐も座礁も無かったことになり、何事もなくキングゲームが再開される。という意味不明な展開に動揺を隠せませんでした。



しかもキングゲーム再開と言っても、そこからはずっとムチでしばいたりしばかれたりしてるだけっていう。王様っていつ交代するもんなの?やったことないからルールもよくわかんないや。



それだけでもたまらないのに、幻覚のトラがその場に現れて襲ってくるという途方もない超展開がさらに上塗りされます。意外にもアニマルパニック要素までねじこんできた。幻覚と言ってもみんな同じ幻覚を共有してるわ、噛まれた奴は死んでるように見えるわ、何よりそこがクライマックスで尺も長いわで単なる幻覚というよりスタンド能力的なものに見えてくる。



製作者は一体何を考えてあのトラのCGを作らされていたのか、そこに思いを馳せる以外どうしようもない。「何だこれ」「でも仕事だしな…」みたいな感じだったのかなと。



これだけ迷走に迷走を重ねた末に、何をどうまとめてオチをつけるのか!?



いや、オチなんて何もなくぬるりと終わるパターンだろうなと予想してたんですよ。が、そこは途方もなくクソったれしょうもないとはいえ一応「キングゲームの起源と意外な真実」的なオチを出してきたので、一応ほんの少しは正気らしきものが残ってはいたのかもな…とホッとしました。





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