「サイレント・スリル」感想 万引き天国アメリカの驚くべき実態

概要

原題:Stealing in Suburbia

製作:2022年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ジョン・マーロウスキー

出演:アリシア・リー・ウィリス/フィデリア・グレイス/ジェイ・キャッスルズ/ブルック・マルーン/グレイシー・ドアン


5年間自宅学習をしていたスカイは、受験前に優等生コースを履修するため高校へ初登校する。そこで幼馴染のマーニーと再会し、彼女と同じバスケ部へ記録係として入部することに。その後、バスケ部員たちから着ない服をダークウェブで売り捌いて欲しいという依頼を受ける。だが、その服はバスケ部員たちが万引きしてきた盗品だった。


本編

感想



奇才テレビ映画職人ジョン・マーロウスキー監督による万引きサスペンス。

U-NEXTで399円レンタルしてから気が付きましたが、アマプラでは299円でした。

この100円差は一体…



高校女子バスケ部の不良娘たちが万引きした服を売り捌いており、途中から入ってきた主人公スカイは知らずにそれに加担させられ、抜けようとしたら命を狙われる羽目に…という、ストーリー的にはめちゃくちゃありがちなやつです。



しかしそこは奇才ジョン・マーロウスキーの匠な味付けによってそれなりにエキサイティングなツッコミ見所がそれなりに用意されております。それなりに。



まず、万引きの手法が恐ろしく豪快であるという点が気になりまくります。なんかフツーに近所のブティックに入っていき、スーパーの処分品詰め放題みたいな勢いで紙袋とかお腹に高額商品をモリモリ詰め込みまくるのです。しかも数人がかりで並んでやるっていう。



商品はいきなりごっそり減るし、顔も隠してないし、防犯タグも取ってないし、不審者丸出しの動きで出て行こうとするし、監視カメラにバッチリ映ってるだろうし、捕まらない理由が何一つない。しかも金額にすると1回あたり5000ドル超。あの田舎町ならもはや連続窃盗事件としてニュースになり、対策が取られるであろう規模の犯罪ではないのか。



それを何の疑問もなくダークウェブで売り捌くスカイもなかなかアレ。あの見た目で女子高生はちょっと無理があるかな。いや見た目はともかく、合法のフリマサイトで売れないものを何千ドル分も捌いてくれという頼みを何かおかしいとは思わないのか。頼む方も防犯タグくらい取ってから渡せよと。そんな具合で何もかもが恐ろしく杜撰な犯行です。



クライマックスでクソみたいな動機を告白した犯人に対し、スカイがやけに鋭い動きで包丁を振り回すあたりもなかなかエキサイティング。テレビ映画だと何やかんや刃物が威力を発揮することは少ないんですが、本作はちゃんと刺さるべき人物にしっかりドスが突き刺さって終わります。そこら辺はスッキリしていて良いです。



ところでこの邦題は一体何なんでしょうね?

意図がよく分からないんですけど。




「サイレント・スリル」(Amazon Prime Video)


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