概要
製作:2023年日本
配信:U-NEXT
監督:藤井秀剛
出演:坂井貴子/森直子/川野雄一/種村江津子
ある幸せな家族。長年、刑務所に収監されていた姉も釈放され、家族は幸せの絶頂にいた。そんなある日、家を訪問した警察官が何者かに殺された。しかし事件の唯一の目撃者は、かわいいペットのイヌだった。イヌの見た驚がくの地獄絵図が明かされていく。
(↑U-NEXTより)
予告編
感想
元々は「新解釈番町皿屋敷お菊寺」というオムニバスホラーに収録されていたもので、先月くらいからU-NEXT独占で単独配信開始となった作品。
「新解釈~」の方は未見ですが、この「犬屋敷」はいくらなんでも新解釈にもほどがありすぎるだろうと叫びたくなる超絶狂気のサイコホラーでした。私はホラー映画を大量に見すぎてもはや神経が麻痺しているんですが、これは本当に久々に結構な恐怖を感じましたよ。そういう意味では非常にクオリティは高く、面白かったです。
今年は全編犬視点の異色ホラー「Good Boy」が海外で話題になっており、日本での公開も待ち望まれているところです。が、まさかそれより2年も先んじて我が国にこれほどの犬視点ホラーが存在したとは驚きでした。元がオムニバス収録で30分の短編では話題になりにくいですかね。うまいこと70分くらいに膨らませて劇場公開したらヒットするかも…
ある家庭を訪問した警官がやばい奴に襲われ、それを目撃していたのがかわいいワンちゃんだった…みたいな導入ですが、警官襲撃どころかその後展開される阿鼻叫喚の地獄絵図全てをワンちゃんが目撃する羽目になってしまいます。犬は傷つかないんだけど、だからといって無事とも言いにくいこの感覚。
なんというかここまでマジな「阿鼻叫喚の地獄絵図」を見せられたのが本当に久しぶりで呆気にとられましたね。なんせ根が素直なもので、普通に犬の妖怪が出てくるおどろおどろしい怪談を想像してましたからね。観た後はタイトルを「犬屋敷の狂気」とか「犬屋敷のピーラー」にでも替えた方がいいんじゃないかと言いたくなる。
途中かなり大きなツイストがあって結構驚かされたりもするんですけど、すぐにそんなもんどうでもよくなるほどにサイコ殺人鬼たちの狂気が滾りすぎている。あんなサイコ濃度の高い空間もそうはない。その辺のホラー映画であれば、いくらやべー凶器をチラつかせても「さすがにそれはやらないだろうな」と察せられるものです。ところが本作では実際やりかねない雰囲気がやたら充満しており、見ていてかなり緊張します。というか実際にやってしまうからたまらない。まあ予算の関係かそれほどリアルなグロではなかったので何とか耐えられましたが、ホラー慣れしてない人が観たら結構キツイかもしれません。
「新解釈番町皿屋敷お菊寺」(Amazon Prime Video)
↑アマプラにはこっちしかないので。
ディレクターズ版との違いはオチがあるかないかだけのようです。
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