「テリファー０」　感想　はじめてのギコギコ

概要

原題：All Hallows' Eve

製作：2013年アメリカ

配信：エクストリーム

監督：ダミアン・レオーネ

出演：ケイティ・マグワイアー/キャサリン・A・キャラハン/マイク・ジャンネッリ/コール・マシューソン/シドニー・フライホアー

ハロウィンの夜、子供ふたりの面倒を見ていたベビーシッターはお菓子の袋から得体の知れないビデオを発見。ホラー好きの子供にせがまれて再生してみると、内容は不気味なホラー短編が３つ入っていた。だが、それはただのビデオテープではなかった。それを見終えた時、どこからともなくヤツが現れる…

予告編

感想

「テリファー」「テリファー２」が世間で大ヒット（？）し、今年も11/29（いい肉の日）に3作目が大々的に全国公開されることになっています。それに先駆けて10年以上前に製作されたテリファープロトタイプとも言える本作が配信されました。

いや～エグいですね。プロトタイプだから１と２よりは大したことないだろうと思っていて、実際それはそうだったし特殊メイクも多少安っぽいけど…だとしてもこれはその辺の凡作ホラーよりも圧倒的に容赦ない。え、そこまでやっていいんすか？と訊きたくなる。超低予算のため、ショックシーンは主に過程をすっ飛ばして結果だけを映す手法となっているところが続編よりはマイルドに感じられるものの、なかなかいい感じに気分悪くなれます。

明らかに超えちゃいけないラインをヘラヘラしながら当然のように踏み越えてくるアート・ザ・クラウンの凄みがたまりません。この時点ではまだ少し抑え気味とはいえ、この監督ブレーキ壊れてますよね。金がかかってないだけに剥き出しの熱い才能を感じます。新作もしんどそうで今からブルっちゃいますよ。本当にこんな悪趣味なスプラッター映画が令和の今世間で大人気なのか？と疑ってしまう。それとも狭いホラー映画マニア界隈でだけ騒がれてるのかな。

短編を上手く継ぎ合わせたとか現実に浸食してくる演出とかリングっぽいとか、そんな細かいことはどうでもよく。とにかくエグイということしか語りたくなるところがないし、かといってどのようにエグイのかここでは具体的に語れない内容。まあでも思い返してみればそこまで痛覚に訴える感じではなかったかな。善良な人たちの身体を、子供がバッタやカエルを弄ぶように無邪気に破壊し尽している感じですね。陰惨極まりないけど淡々とやってくれるので胸糞悪さはそれほどでもない。

このシリーズの場合、キャラクターのふるまいが妙にカワイイところがギャップ萌えというか、かえって不気味さを増幅している感があって良いです。と言っても短編2本目に出てきたあざとすぎる宇宙人はいかがなものかとは思ったけど。あれはないよな……と言いつつ新作に出てきたら楽しいでしょうね。

「テリファー０」（Amazon Prime Video）