「バックルームズ」 感想 人生は理不尽な迷宮

概要

原題:Backrooms

製作:2026年アメリカ

配給:ハピネットファントム・スタジオ

監督:ケイン・パーソンズ

出演:キウェテル・イジョフォー/レナーテ・レインスヴェ


1990年、家具店経営者のクラークは店の地下から奇妙な場所に迷い込む。そこは黄色い壁が蛍光灯に照らされた巨大オフィスビルのような無人の空間だった。そこに興味を持ったクラークは従業員にカメラを持たせ、内部の調査に乗り出すが…


予告編

感想



本国ではものすごいヒットしているらしいインターネット都市伝説の映画化作品。

こっちでも夜は混んでたので、早起きして朝7時台の回で観てきました。



お勧めされたから行くには行くけど元ネタは全く見た事ないし、リミナルスペースという言葉も聞いたことがあるだけで意味は全然知りません。そんな奴が観てもしょうがないんじゃないかなあ…と思ってましたが、わりと普通にエンタメホラーしてるところもあり予備知識がなくても充分楽しめました。



最近電気代が高いとか何とか色々悩みを抱えている家具店経営者クラークがわけのわからない異空間に迷い込んでしまう。最初はクラークの精神世界での出来事なのかな…と思いましたが、その異空間の電気料金が加算されてるってことは、お店と物理的にしっかり接続されているわけですね。変なところでリアルな設定です。誰が工事したんですかね。契約アンペア数も変えないとブレーカー落ちそう。



そうは言ってもやはり人生という迷宮をさまよう中年男を、その異空間を通して表現してるんだろうなとは感じました。若者たちを連れて本格的に探索するあたりはちょっとワクワク感もあったけど、全然長続きしない。楽しさはなくてずっと辛気臭い。まあA24映画は大体いつもそんな雰囲気ですが、とりわけ行き詰った中年男の精神などひねくれて入り組んでおり、辛気臭くて当然なのです。臭い洗濯物の山はそれを象徴する物体だったんでしょう。



ジャンプスケアが多いと聞いてましたが、むしろそれにはほとんど頼ってないように思いました。急にデカい音が鳴るような場面はなかったかと。私はジャンプスケアはズルイと思ってるのでこれは好印象。じゃあホラー的に怖かったか?と言えば別にそれほどでもなかったんですが、ただ一か所だけカウンセラーが家具帝国の船長に追われるくだりで高い吹き抜けの階段を登るシーンはかなり怖かったです。異空間より化物より高い所が怖い。ミドルエイジクライシスも怖いけど。



細かいところで気になったのは食料です。異空間に居た異形の中年男の腹肉なのになんだか妙に美味そうなんですよね。綿アメかお米のかたまりみたいな質感がたまらない。カウンセラーでもクラークでもいいからちょっと食べてみてくれよと思いながら観てました。残念ながら手をつけてくれなかったけど。



食料に気を取られすぎてあの辺の問答はよく聞いてなかったけど、やっぱりあれはクラークの精神世界が具現化したみたいなもので、精神的に楽でいるための殻に閉じこもっているという話ですかね。そんな人物の心に踏み込んだカウンセラーは、クラークの防衛機制である家具帝国の船長に襲われる羽目になったと解釈しました。



終盤に出てきた企業はバックルームを作っちゃったのか、それとも発見したから利用したいのかよく分からんかったけどこの映画単品で言えば出さなくて良かったんじゃないかなと思いました。ホラー映画で126分はさすがに長い。エンドクレジット後の短編は正直蛇足にしか感じられなかったです。元ネタを知る人は楽しめる部分なんだろうし、シリーズ化に向けての布石もあるのだろうから私が文句を言うべきところでもないでしょうが。





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