「食人雪男」 感想 ゆきおとこぐさ

概要

原題:Abominable

製作:2020年アメリカ

配給:TOCANA

監督:ジャマール・バーデン

出演:カトリーナ・マットソン/エイミーゴードン/ローバート・バーリン


どっかの山奥に生えてて、どんな病でも治してしまうという奇跡の植物”雪男草”(笑)を求めてやってきた探検隊。だが、その山には顔面から人を喰らう爆食魔獣であり伝説の人体破壊王と呼ばれる幻のUMA”イエティ”が雪男草(笑)を守護っているのであった…


予告編

感想




ヤツは顔面から食う。

想像を絶するスーパーバイオレンス・モンスター・パニックついに日本上陸!

血に飢えた爆食魔獣UMA。

人間どもを引きちぎる、伝説の人体破壊王降臨。





何というモンスターパニック好きのツボを押さえた素晴らしい宣伝文句でしょうか。これは超絶大傑作に違いない!観なくても分かるぞ!ということで速攻サツゲキまで行ってきました。ただサツゲキって駐車場ないし、あの辺はゴチャゴチャしていて運転したくないので、いつも二十四軒駅の駐車場に車を停めて地下鉄で行っています。つまり映画代1600円だけでなく駐車料金620円と地下鉄代500円の計2720円もかかる。ついでにコーラ代も入れると3020円です。



そう、私はこんな映画に3020円も費やしてしまったのです。好事家ってレベルじゃねえぞ! …というのもこの映画、なんとあの「Uncork'd Entertainment」作品なのです。サツゲキの一番でかいスクリーンにこのロゴが映った時は腰が抜けそうになりましたよ。だってこれアマプラ謎映画とかチャンスインがたまにDVD出してる超低予算C級映画でよく見るロゴなんですよ。アマプラ謎映画で出てきたら「まあitnよりはましかな…」と思うレベルの会社。製作だか配給だか知らんけど。



でも、全国ロードショーしてるんだし…サイコ・ゴアマンの6倍くらいでかいスクリーンで上映してるんだし…それなりのクオリティのはずだろ…と己を洗脳しながら鑑賞するも、これは擁護不可能なアレっぷり。まずストーリーというか脚本があり得ないレベルのゲボさです。「雪男草」(笑)とかいうけったいな万能薬草を求めて雪山にノコノコやってくる探検隊。だがそこには着ぐるみ爆食魔獣イエティがいて雪男草(笑)を守護っており、隊員が一人ずつぶっ殺されていく。という内容ですが、正直言ってその辺の小学生男子の方がもう少し気の利いた脚本を書けるんじゃないか…と思いました。雪男草(笑)で医療に革命が起きる(笑)。



しかもこいつら、ここはなんかの特異点でありあのイエティは時空を超えた三畳紀のモンスターなのよ!などと毒電波を受信しているとしか思えない妄言を吐き出します。まさかのSF映画だった。しかし映像的にもストーリー的にもその設定の意味あるのか?…いや、何もない。ここら辺は製作者にあのジャスティン・プライス様(「エイリアン・ファイナルカウントダウン」とかの監督)が名を連ねているのでその悪影響かと思われます。



この人体破壊王ことイエティは目が敏感だから光が苦手ってことで、懐中電灯を点滅させるだけで逃げてくれます。ただ、主役の女の子が懐中電灯を向けてる時は昼間なのにそれで苦しむイエティの背景はなぜか夜になっており、カットが切り替わるたびに昼になったり夜になったりするという「死霊の盆踊り」並みのテキトーさには驚きました。まさか劇場の大スクリーンで金を払ってそんなレジェンドクソ映画オマージュみたいな映像を拝むことになるとは…



一応最後に良いところも挙げておきますかね。探検隊員とか他のモブたちが着ぐるみ爆食魔獣イエティに襲われてグチャグチャにされる人体破壊王シーンはかなり頑張ってると言えます。グロを見せるのが一番の目的というわけですね、わかります。クソ野郎の顔面をメリメリはがしてミンチになるまでぶっ叩く場面はなかなかの見どころ。ただし「でも、別に食ってないよね?」と突っ込んでおきます。


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