「ザ・スタンド 連続殺人犯の元カレと妄想症に悩む私」 感想 結局普通のスラッシャーに

概要

原題:Open 24 Hours

製作:2018年アメリカ

発売:ハピネット

監督:パドレイグ・レイノルズ

出演:ヴァネッサ・グラッセ、ブレンダン・フレッチャー、コール・ヴァイグ、エミリー・テナント、ダニエル・オメーラ


連続殺人鬼の元カレに火をつけて刑務所に入っていたメアリーは、出所後に保護観察官トムの紹介でガソリンスタンドで働くことになる。だが、元カレの残虐な犯行を見せられたメアリーは精神に異常をきたし、幻覚に苦しんでいた。そしてスタンドで働き始めた初日、雨と共に元カレがメアリーを追ってやってくる。


予告編

感想



セル版が無いようなのでアマゾンリンクが貼れませんが、なぜかジャケの擬音とタイトルロゴが「ジョジョの奇妙な冒険」風にされてるホラー映画。ちなみに「ザ・スタンド」と言っても別に幽波紋のことではなくただのガソリンスタンドのことなのでジョジョとは一切関係ありません。これは詐欺っていうよりただハピネット?の中の人がジョジョ好きってだけなのではないかと。あまり仕事に趣味を取り入れて遊んでしまうのもいかがなものかと思います。



中身の方は「ホラーヒロインのその後を描く新感覚スリラー」だそうな。これはどういうことかというと、主人公メアリーは連続殺人犯と付き合っていた過去があり、人を殺すところを見せられてきたが最終的には犯人に火をつけて刑務所に入っていた。で、本作はそんな彼女が無事出所してガソリンスタンドに就職を決めたところから物語が始まるというわけです。


目の付け所は悪くないかもしれません。かつて見た陰惨な光景を幻視して苦しんでしまうメアリー。彼女は前科持ちながらも支えてくれる心優しい友人や保護観察官の助けでガソリンスタンドに就職することができ、人生をやり直そうとしていた。その辺のドラマは丁寧で退屈せずに観ることが出来ます。



が、結局はそのガソリンスタンドに脱走した元カレ殺人鬼が襲ってくるので「ホラーヒロインのその後」というよりは単なる普通のスラッシャー映画になってしまっている感は否めない。まあ、別にそれでもいいんですけどね。ただ、前科者のメアリーに手を差し伸べてくれた周囲のすごく良い人たちが犠牲になっていくのが非常に胸糞悪い。やっぱり前科者なんか災いを呼んでくるだけだから一切関わるべきじゃないよと言われているように感じます。



あと、元カレ殺人鬼のキャラクターにもちょっとケチをつけたい。「雨の切り裂き魔」というあだ名らしいんですが、凶器はなぜかハンマーです。特に獲物を切り裂くようなシーンはなく、ほぼハンマーで頭を砕いてきます。それでもかなりグロイし別にいいっちゃいいんですが、メアリーをストーキングしてくること以外には特別個性は感じられないのが物足りない。スラッシャー映画はやはりもっとインパクトのある殺人鬼を出してくれないとすぐに埋もれてしまいます。



まあそんな感じなので本筋は割とどうでもいいんですが、そんなことよりアメリカの古いガソリンスタンドのレジ横で豚の舌なんか売ってることにちょっと驚きましたね。しかも丸ごとホルマリン漬けにしたみたいな見た目。一体どういう商品なんだ。あんなブヨブヨして臭そうなものを買って運転しながらつまむ人がいるってことでしょうか。実に気色悪いおやつです。


また、古いガソリンスタンドってことでトイレもめちゃくちゃ汚いんですが、そんなばっちい便器の水の中に浮いていた免許証を躊躇なく素手でつかみに行くメアリーにも驚きました。ありえない。やっぱ向こうの人は衛生観念が著しく欠けた民族なんですかね。


コメント