「キラーソファ」 感想 平凡な家具と恐ろしい悪霊が合体

概要

原題:Killer Sofa
製作:2019年ニュージーランド
配給:アットエンタテイメント
監督:バーニー・ラオ
出演:ピイミオ・メイ/ジェド・ブロフィー/ナタリー・モリス

変な男に執着される体質を持った女性フランチェスカは、行方不明になった男のソファを譲り受けることになった。だが、そのソファには悪霊が憑りついていた。フランチェスカに惚れたソファは、彼女に近づく男を次々と葬っていく…

予告編




感想


私は今まで様々な無生物が人を襲う映画を観てきました。トマト、ドーナツ、ケーキ、トラック、タイヤ、人形ブルドーザードローン等々。
どれも小学校低学年レベルの下らないアイデアですが、だからこそそれを本気で映画化してしまった製作者には畏敬の念を抱かざるを得ない。誰にでも出来る仕事ではありません。彼らは尊敬すべき偉大な馬鹿なのです。なので、この手の映画は仮につまらなかったとしても全力で肯定し、称賛してあげたいと思っています。世に出してくれただけでも喝采モノなんです。


で、今回は悪霊が憑りついたソファが人を襲うホラー映画です。いやー、くだらねえなあ…キラートマトやキラードーナツみたいにしょっぱいコメディなんだろうなあ…などと言ってはいけません。驚くべきことにかなりシリアスな映画なんです。ソファが人を襲うだなんてしょうもない話をあえて大真面目に撮っていらっしゃる。一体頭のネジが何本飛んでいればそんな偉業を達成することができるのか。私ごとき凡夫には窺い知ることもできません。

ニュージーランドってかなりいかれた珍作をたびたび出してくれますよね。なんと素晴らしい国なんでしょうか。一回ぐらいは旅行に行ってキーウィと戯れてみたいものです。


ちなみに本作、7月17日から一か月間限定でのオンライン上映だそうです。レンタルと何が違うのかわかりませんが、1100円も出して鑑賞しました。高えよチクショー。

内容についてですが、まずストーリーについては割愛します。どうでもいいからです。本作で気になる点といえばただ一つだけ。キラーソファがどのように人を襲っているのか? そこに尽きます。いや、その前にまずソファのビジュアルからですが、別にどこにでもありそうな…ニトリとかで買えそうなありふれた感じの一人掛けソファです。特徴としては背もたれについた黒いボタンがまるでつぶらな瞳であるかのように見えることです。

コイツが立ち上がって移動すると、何だかぬりかべのような、どーもくんのような…ゆるキャラっぽい雰囲気がします。そんなのが人を襲うってんだからたまりませんね。
ただ、その襲い方は予想とだいぶ違っていました。私はてっきり座った人間の尻に噛みつくだとか、棒状の物で尻を貫くとか、そういうソファっぽい攻撃をしてくるもんだと思っていたんですが、実際は立って移動してアイロンとかで殴り掛かってきます。あとスプリングで刺したりとか。

それって別にソファじゃなくてもいいんじゃねえの? とか常識的な意見を言うべきではありません。そういうことをあえてソファがやるからこそ生まれる味わいというのもあるんです。実際ソファというかぬりかべ的な妖怪の犯行にも見えてしまうのが難点といえば難点ですが、それはそれで悪くない。面白いです。ソファなのにわざわざよその家まで遠出して襲ってくるのも意外性があって楽しい。誰もソファが一人で外出するとは思いませんからね。誰にも見られなかったのかとか、どうやってドアを開けたのかとか気にしてはいけません。ソファが人を襲ってくれさえすれば、細かいことはいいんです。目をつぶるべきです。

というわけで、本作は1100円での期間限定オンライン上映とちょっと特殊な配給形態ですが、クソ映画マニアの方や好事家は必見であると言っておきましょう。そうでない人は、レンタル料金100円になるまで我慢した方がよろしいかと思います。


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