「パペット・マスター(2018)」 感想 悪趣味全開のナチス製殺戮人形

概要

原題:Puppet Master:The Littlest Reich
製作:2018年イギリス・アメリカ
発売:キングレコード
監督:ソニー・ラグーナ/トミー・ウィクランド
出演:ジェニー・ペリサー/バーバラ・クラプトン/マイケル・パレ

マンガ家のエディは、弟の遺品の中から奇妙な人形を見つける。それは、かつてナチスのマッドサイエンティスト”トゥーロン”が作った殺人人形であった。エディはオークションに出そうとトゥーロンゆかりのホテルツアーに参加するが、集められた殺人人形たちが動き始め…

予告編




感想


1989年に第1作が公開され、カルト的な人気を博して12作も続編が作られた「パペット・マスター」のリブート版。ちなみに私は旧作を一切観ていません。いや、長年観たい観たいと願ってはいたんですが、DVDが出てないし配信もされてないので手の出しようがなかったんです。わけわかんないZ級映画が毎月あれだけDVDリリースされたり配信されまくったりしているのに、何で「パペット・マスター」はいつまでもスルーされ続けていたのか? 権利関係が面倒だったんでしょうか。

なのでこのリブート版にはすごく期待していました。






しかしこいつは観てビックリですね。
「ナチスの殺人人形がツアー客をぶっ殺す!」
本当にただそれだけの映画だとは…。

ストーリー性も人物描写も極限なまでに薄口で全く印象に残らない。ここまで潔くスプラッター描写だけに全振りした映画は初めてですよ。なぜかマイケル・パレが出演してるんですが、別に裏切りもしないし醜態を晒すわけでもなかった。
まあ、中途半端にあれこれ盛り込むよりはこれくらい尖ってる方がいいのかもしれません。


ということで、本作についてはスプラッター描写についての感想を述べるしかないわけですが…

その観点からすると、質・量ともにかなりレベルが高いと言えるでしょう。首チョンパやハラワタブシャーは当たり前、妊婦や胎児や小さな子供さえ容赦なくぶちかまされます。
ここまで悪趣味な残酷描写はそうそう観られませんよ。R-15止まりなのが不思議なくらいですね。

そんな中で何といっても秀逸だったのは、放尿中に首を切断されて便器に落ち、自分の生首に小便を浴びせることになったオッサンでしょう。彼は2020年上半期最優秀死に様賞にノミネートしてあげてもいいかもしれない。


ただ本作は有名シリーズのわりに金がかかってないようで、殺人人形の動きがやたらチープです。一体一体のインパクトもあまりない。ドリルやプロペラが武器の人形はちょっと面白いが、それだけ。もうちょっと各人形の個性を打ち出してくれても良かったのでは…。唯一、「ミニ総統」だけは濃い存在感を発揮してましたけどね。あっさりやられすぎ感は否めない。


また、被害者が明らかにマネキン人形化してるシーンもあります。これは安い。内臓と血糊で製作費を使い果たしてしまったかのようなアンバランスな感じ。

同じ殺人人形を題材とするリブート作でも「チャイルド・プレイ」とは大違い。あっちは健全なエンターテインメントでしたが、こっちは純粋に悪趣味な残酷描写そのものを楽しめる変態じゃないと厳しいでしょう。
つまり、こんな悪趣味なブログを読んでくれてるような方には超オススメ。
今すぐレンタル屋に走るべきと言っておきます。

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