「アミティヴィル・アサイラム」 感想 悪魔の棲むX病棟

概要

原題:The Amityville Asylum
製作:2013年イギリス
発売:アマゾンプライムビデオ
監督:アンドリュー・ジョーンズ
出演:ソフィア・デル・ピッツォ/リー・ベイン/ジャレッド・モーガン

アミティヴィルの精神病院で清掃員として働き始めたリサ。だが勤務初日にそこにいないはずの少女を目撃するなど怪奇現象に見舞われる。病院について調べてみると、そこはかつて猟銃で家族6人を射殺した事件の跡地に建てられたことが判明するのだった…

予告編




感想


今月のアマゾンプライムはいかれた謎ホラーを配信してくれないのかな~と思ったら月末に数本公開してくれました。これはありがたい。どうしようもないZ級ホラーを観るのはつらいんですが、無かったらそれはそれで寂しいんです。ジャンク映画に慣れ切った私の体がZ級ホラーを求めて疼くのです。

という冗談はさておき、本作はイギリス自主製作Z級映画界の雄アンドリュー・ジョーンズ監督作品です。いつものようにリー・ベインも出演しています。この安定感と来たらどうでしょう。ジャンキーなZ級映画を観たいという私の欲求を存分に満たしてくれる。さすが「イギリスのマーク・ポロニア」と異名を取るだけのことはあります。私が言ってるだけですが。



で、本作はどうやら「悪魔の棲む家」の正統なるシリーズ作品のように見えます。
と言ってもこれ自主製作映画のはずなんですが、一体なんでそんなことに?
アミティヴィル事件はすでに著作権が切れてフリー素材か何かになってるんでしょうか。そうとしか思えない。あるいは無許可で撮ったかです。なんかもうアミティヴィル・ブランドも地に堕ちたどころか地中深く沈んでしまったと言えます。「アミティヴィル・シアター」なんて核地雷級のZ級映画もありましたしね。幸い本作はそれよりはマシな出来栄えですが、核地雷に変わりは無い。間違っても一般人が踏んではいけません。

そもそも、この映画のためにアンドリュー・ジョーンズがわざわざニューヨークのアミティヴィルまで出向いて撮影したとは思えないのが問題です。たぶん、いや確実にイギリス国内で撮影しています。99%室内しか映らないしどこで撮っても一緒でしょう。しかし、こういうのはご当地感が無いとどうも物足りない。イギリス人がわざわざアミティヴィルをネタにしてZ級ホラーを撮る意義はどこにあったのか。


まあそれはともかく内容についてですが、序盤はなかなか面白いです。まず主人公のリサが精神病院の清掃員として面接を受けているシーンから始まるんですが、クシャミをして院長を鼻水まみれにしてしまう。そんな粗相をしたんじゃ落とされると諦めかけていたが、それでも採用されたので先輩のリー・ベインに色々教えられながら働き始めます。

別に普通やんと思うかもしれませんが、面接は長いし仕事の内容もかなりの時間とセリフ量でしっかり丁寧に教えてくれるのが問題なんです。洗剤の種類とか、ガムの剥がし方とかね。そんなものを長々と見せられても困るというか、明らかに娯楽映画のやることじゃない。いや、芸術映画でもやらないだろうけど。これはかなりいかれてます。素晴らしい。

ただ、後半は意外とまじめにホラーっぽい展開をやってくれるので、やや物足りないか。いかれた患者が他の患者の脳みそを喰らったりするスプラッターシーンもあったりと、いつになくサービス精神を発揮しています。アンドリュー・ジョーンズ監督作品としては平均よりも上の方と言えるでしょう。

ただ、ネタ要素にはいまいち欠けてます。アミティヴィルの事件に関して独自の説を披露してくれるのはいいが、別にそんなの全然興味ありませんからね。そんなことより大量の警察官が踏み込んできたはずなのに一切その姿が映らないクライマックスの方がまだ面白い(Z級映画的に)。

ということで、プライム会員の好事家・Z級映画ファンはぜひご覧になってみてください。





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ダーク・デスティニー魔女の谷
フィアー・サーカス
テラー・ハウス 堕天使が住む館



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