「ポパイ・ザ・キラー」 感想 チェーンソーなんて子供の味

概要

原題:Shiver Me Timbers

製作:2025年イギリス

配信:U-NEXT

監督:ポール・ステファン・マン

出演:エイミー・マッキー/ニーアム・パリントン/ブレンダン・ネルソン/デヴィッド・ハロウズ/ロス・ディロン


ハレー彗星が空に輝く夜、水兵風のホームレスじいさんのパイプに小さな隕石が飛び込んでくる。するとそれを吸った爺さんがなぜか最強・最悪のマッチョポパイに突然変異してしまう。キャンプ場で騒いでいたオリーブ・オイルとその仲間たちに目を付けたポパイは、一人ずつ彼らを血祭りに上げて行く。


予告編

感想



またしてもイギリス人が著作権の切れた子供向けアニメをお手軽殺人鬼クズホラーに仕立て上げた商魂たくましい一品。

今回はU-NEXT独占配信399P。



ポパイを殺人鬼にした作品はすでに3つも作られているらしいですが、おそらく本作はその中でも最低ランクではないかと思っています。他のやつ一切知らないけどほぼそう確信できるクオリティ。



なんせポパイ要素があまりにも薄い。いや、私も別に大して詳しいわけじゃないですけどね。確かに幼少の頃にポパイのアニメを観てはいましたが、子供心にも「ガキにほうれん草を食わせるための教育的アニメか?」と感じていた記憶しかございません。いやファミコンのゲームで遊んでた記憶もあるかな。80年代にはそれなりに流行っていたのか?



それにしてもハレー彗星の欠片をパイプで吸ったじいさんがマッチョポパイに突然変異というのはいかがなものかと思います。せめてそこは「化学薬品が混入したほうれん草の缶詰」くらいの原作要素はあってもバチは当たらないのではないか。そもそもそのホームレスじいさんの名前も出てこないし、マッチョ化した後も名前を呼ばれるわけでも何でもないので、単にビジュアルがポパイっぺえというだけ。プーさんバンビよりかなり落ちるのは当然として、下手するとミッキーよりもいい加減な設定。



オリーブ・オイル率いる若者グループの方はただのモブキャラに産毛が生えてる程度の描写しかなく、キャンプしながら適当にクネクネ踊ってたり、全く何の意味もない虚無的な会話を延々と繰り広げたりとどうしようもない時間稼ぎに尺を浪費しまくる。全体で73分しかない映画ですが、見所と言えるのはせいぜい3分間あるかないかといったところ。



ただ、その3分間はなかなか悪くない。特にクライマックスでは追い詰められたオリーブが巨大な丸ノコを持ち出してマッチョポパイと激しくバトル。チェーンソーなんてお子様用!これからは丸ノコの時代よ!とばかりに張り切ってポパイを切り刻む様はZ級クズホラーマニアの乾いた心を温かに満たしてくれます。まあクズはクズなんだけど、まあ終わり良ければまあいいかの精神で、こんなのもアリってことにしておきましょう。



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