「プライス 戦慄の報酬」 感想 マヌケなサイコ野郎共による血みどろコメディ

概要

原題:Come to Daddy
製作:2019年アイルランド・カナダ・ニュージーランド・アメリカ
発売:ハーク
監督:アント・ティンプソン
出演:イライジャ・ウッド/スティーヴン・マクハティ/ガーフィールド・ウィルソン/マデレーン・サミ/マーティン・ドノヴァン

ビバリーヒルズで音楽活動をしていたノーヴァルの元に、長い間会っていなかった父親からの手紙が届く。父の住む島を訪れ、30年ぶりに親子の再会を果たしたノーヴァル。しかし父親の感じが悪く、なぜ呼んだのかも教えてくれない。さらに、嫌がらせのような言動を繰り返したあげく包丁を持って襲ってくる。

予告編




感想


先に、本作とは関係ない話なんですが…
当ブログが「新経世済民新聞」というメディアのコラムでちょろっと引用されていました。別に褒められたわけではないんですが、なんかちょっと嬉しいですね。しかも経済関係のメディアとあって非常に堅くてマジメな感じのコラムなんですよね。いつも適当でふざけたことばかり書き連ねてるどうしようもないブログだけど、長くやってればたまにはそんな珍しいこともあるようです。





…で、本作についてですが。
邦題やあらすじを見てもどんなのだかよく分かんない雰囲気ですが、実際観ても何だかよくわかんない変なノリの映画でした。

30年ぶりに父親と感動の再会を果たした男ノーヴァルが、次々と理不尽すぎる出来事に襲われる巻き込まれ型のサイコサスペンスコメディ…とは言ったものの、かなりハチャメチャで気が狂った内容のためジャンル分けが難しい感じ。監督の実体験が元になっているらしいが、本当にそうだとしたらまずは薬物検査でもした方が良いかと思われます。


しかも、内容以前にまず主演のイライジャ・ウッドのビジュアルが強烈におかしすぎて話が全く頭に入って来ません。イライジャ・ウッドと言えば未だに「ロード・オブ・ザ・リング」のイメージしか持ってないんですが、あれから20年近く経っているので彼もすでにオッサンと言ってもいい年齢のはずです。

だというのにあの珍奇な髪型は一体何事なのか。久しぶりに会った父親は自分で呼び寄せたくせにえらく感じが悪く、ノーヴァルの服装やら仕事やらをボロカスにけなしてくるのですが、髪型については一切触れない。

これはおかしいのではないか。誰が見ても一番突っ込みたくなるのはあの頭でしょう。なんであんな「名も無き修羅」みたいな頭をしているのか? おまけに耳の下には「音命」などと漢字で変なタトゥーを入れてらっしゃる。どこからどう見てもカタギではないし、「久しぶりに修羅の血がたぎるわ!」とか言い出してもおかしくない。それでいて、眼だけは異常にピュアで幼い少年のようなムードを醸し出していらっしゃる。あとヒゲ。失礼ながらアンバランスすぎて気持ちが悪い。そりゃこんなのが画面に映っていたら会話など頭に入って来ませんよ。


しかし会話をちゃんと聞いていたとしても、マヌケなサイコ野郎どもが織り成す血みどろなドタバタ劇にはあっけにとられるばかりです。これは考えるだけ無駄で「考えるな、感じろ」系の映画かなと。いや、サスペンスとして筋が通らない話でもないはずなんですが、とにかく登場人物が名も無き修羅を含めて皆イカレているので、テーマらしき「父と子」もボヤけているどころかどっかに吹っ飛んでいるような状態です。ラストで唐突にそれが戻ってきますが、今さら何を情に訴えようというのか。完全に手遅れです。


なのであとはインパクトに残ったシーンを語るぐらいしか出来ないのですが、イライジャ・ウッドの見た目の次に驚いたのは金玉メッタ刺しのシーンですね。さすが名も無き修羅だけあってやることがえげつなさすぎる。あんなにも純真無垢な瞳でそんなエグイことをやらかすとは…。今まで結構なスプラッター映画を観て来ましたが、なかなかあれだけ気の毒な死に方はなかったですね。色んな意味で悪趣味極まりない変な映画でした。


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