「スクリーマーズ 写っていないはずの悪夢」 感想  本当に大して何も映っていない件について

概要

原題:#SCREAMERS
製作:2016年アメリカ
発売:プルーク
監督:ディーン・マシュー・ロナルズ
出演:トム・マロイ/クリス・バナウ/グリフィン・マシューズ/エマヌエラ・ガリウッシ/アッビ・スニー/セオドラ・ミラン

面白動画まとめサイト「ギガラー」を運営している気鋭の実業家・トム&クリス。彼らは投資家にPRするためのドキュメンタリー映像を作成していた。ある時、ギガラーにおもしろドッキリホラー動画が投稿される。それを気に入ったトムは動画制作者に会いに行くが、その制作者とは切り裂きジャックの容疑者フランシス・タンブルティだった…

予告編



感想


最近調子がいいプルーク&ゲオ先行レンタル品。
しかし、本作はどうにも擁護しようのないダメダメな作品でした。

本作はPOV形式のモキュメンタリーで、「ギガラー」という動画サイトに投稿されてきたホラー動画の謎をギガラー経営者とスタッフが追うという話です。

まず微妙なのがそのギガラーとかいう動画サイト運営会社でして、投資家にアピールすべく経営者が色々とギガラーの斬新さとか素晴らしさを熱く語っているんですが、やたら威勢のいいことを言う割にその実態は結局ただの面白動画まとめサイトでしかないっていう薄っぺらさ。ドットコムバブルの頃ならまだしも2016年にこういう付加価値の低い会社が成立し得るとは思えません。

…とはいえ、そんなことは全然スルー出来る範囲のフィクションです。

問題なのはそのギガラーに送られてきたホラー動画の方。
墓場で静かに佇む女性を映し、”手首に注目”というようなテロップを出しておいてから、いきなり画面いっぱいに怖いマスクの人物が絶叫とともに出てくるっていう。
要するに大昔に流行った「ウォーリーを探さないで」とか「イライラ棒と見せかけて…」といったビックリ系フラッシュの亜種。あまりにも時代遅れのしょうもない動画です。


こんなの、「誰だこんな下らん動画を送ってきた奴は」となるのが普通の反応だと思うんですよ。しかし経営者のトム&クリスはなぜかその動画をやたら高く評価してしまいます。ビックリ系フラッシュを知らない世代なのか。いや初見だったとしてもそんなに面白い動画とは思えませんが。しかし、実際ギガラーにアップしたらなぜかユーザーにもウケまくり、2722万回もの再生回数を稼ぎ出します。YOUTUBEだったら2722回いくかどうかも怪しいところですよ。で、

「こんな素晴らしい動画を撮るヤツとはぜひ独占契約を結ばなくては!!」

と鼻息荒く動画投稿者を探すトムたち。
しかしだな…
あの程度の動画だったら誰でも簡単に作れると思うんですよ。


やむを得ずそこを仏の心でスルーしますと、どうやらその動画の撮影場所は切り裂きジャックの容疑者の1人「フランシス・何とか」という野郎の墓前だったということで、そこへ行ってみましょうとなるわけです。この映画の舞台はアメリカだと思うんですが、切り裂きジャックの容疑者にアメリカ人がいたとは初耳でしたね。

しかしその辺が少しでも掘り下げられたかというと本当になんもなく…
トムたちが行ってみたら動画に映っていたマスクの男に襲われてオワリ。
オワリ。
なんもないです。
まあPOVの始祖「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」も似たようなことしてたし、モキュメンタリーのオチはこういうのもアリなんだよ!
…と言われたらそうかもしれませんが。
つまらん。

苦手なPOVなのに酔わなかったのでカメラワークは一応褒められますが、他に良いところと言ったら…尺が短いことぐらいしかなかったですね。

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