概要
原題:Sirāt
製作:2025年スペイン・フランス
配給:トランスフォーマー
監督:オリベル・ラシェ
出演:セルジ・ロペス/ブルーノ・ヌニェス・アルホナ
北アフリカの砂漠で行われているレイヴパーティ。そこにやってきたのは行方不明の娘を探している父ルイスとその息子エステバン。懸命にビラを配るも娘は見つからず、軍の横やりでパーティは中断されてしまう。諦めきれないルイスたちは軍から逃げるレイヴ参加者の車にむりやりついて行くが、その先に待っていたのはあまりにも過酷な砂漠地獄だった。
予告編
感想
「予測不能×衝撃の映画体験」というポスターを見かけて少しだけ気になったものの、アート映画っぽいし尺も長いしで観に行くほどではないかな…と思っていた作品。しかしコメントでリクエストをもらったので行ってきました。まさかの2週連続シアターキノ。ちなみに知的な感想とか考察は一切書けないのでその辺はご了承ください。誰もそんなもん期待してないとは思いますが。
ストーリー的には娘探しという軸があるものの、前半は延々踊ってるか車で移動してるかなので結構ダルかったです。私がレイヴカルチャーについてあんまり興味ないのも厳しいか。まあ主人公のルイスもレイヴに興味ないおっさんではありますが。とにかく前半は娯楽性が非常に薄く、ほぼアート映画の雰囲気。アートはダルくても許される…というかダルいほど高評価な気がするのでよく分からない世界です。いや、クソ映画も同じかもしれんけど。
しかし何らかの衝撃展開があるとの触れ込みなのでただの退屈なアート映画で終わるわけがない。パーティが軍の横やりで中止になったりラジオで第三次世界大戦の勃発が放送されていたので、いきなり戦争に巻き込まれるんじゃないかな…
…と思ってたら全然違って、これは確かに全く予想もしない角度からの一撃。あまりにも驚きすぎてうっかり声が出てしまいました。劇場でそんなの初めてですよ。メジャーな娯楽映画では絶対やらないことをあえてやった。展開としてはただそれだけのような気もするんですが、淡々と起きてしまうのでやけにリアルなんですよね。本当に「やっちまった感」がものすごく伝わってくる。現実の出来事を間近で目撃した気分になったし、当事者の心情をリアルに想像できてしまう。これはあまりにキツすぎる。ここからルイスも私も娘探しがどうでもよくなり、ストーリーの軸も分からなくなりました。哲学と宗教の世界へ行ってしまった。そこにしか救いは無いし、そこにさえ無いかもしれない。
それはそうとルイスが勝手に追ってきたレイヴ参加者グループはいかにも無法者のようなコワイ雰囲気だったので、彼らに酷い目に遭わされないか心配してたんですよね。しかし逆に一緒に旅をする中で絆が深まっていく流れは、悲惨な展開においても人情味があって助かりました。雰囲気が怖くても根は善人ばかりで良かった。あんまり何もかも無情すぎても観ていてつらいだけになるので…
後半の展開もビックリはしたけど最初の衝撃展開ほどではなく、むしろ娯楽スリラーの要素が入ってきて楽しめました。あんなの観て楽しいのかよ!この外道が!!とか言われそうだけど、人の生き死にでハラハラするのが好きで映画を観ているようなもんですからね。別に哲学とか宗教とか社会問題で学びを得たいわけじゃないんですよ。冗長・難解・胸糞ではあるので絶賛とまではいきませんが、劇場で観て良かったなーと思えるくらいには良い映画体験でした。
コメント
そんな計画を立てていたとは…
しかし洋画不況の折この映画で満員とはちょっと驚きですね。それほどまでに評判がいいのか
娘が見つかる気は最初からしなかったけど、ああいう形でうやむやになるとは思ってませんでしたね