概要
原題:Sew Torn
製作:2024年スイス・アメリカ
配信:キングレコード
監督:フレディ・マクドナルド
出演:イヴ・コノリー/カルム・ワーシー/ジョン・リンチ/K・カラン/ロン・クック
スイス山中の田舎町で母親の裁縫店を継いだバーバラは、出先でボタンを失くすヘマをして常連客を怒らせてしまう。あわててボタンをとりに店へ戻ろうとするが、その途中で麻薬取引の現場に出くわす。売人たちが流血し倒れているところを見たバーバラは、トランクを横取りするか、通報するか、それとも見て見ぬふりをするかの三択を迫られる。
予告編
感想
昨年末に劇場公開していた、世界初のお裁縫クライムサスペンス。
年末は忙しくて全然気づいてませんでした。
アマプラ440円。
何の予備知識もなく観てみたら、やたら独創的かつキテレツな内容で超面白かったです。今まで見た事も考えたこともない珍妙な発想の連打に陶酔。もし昨年のうちに観ていたら年間ベスト1にしてたんじゃないかな。鑑賞後には速攻でブルーレイを予約しました(8/21発売)。
裁縫屋のバーバラが麻薬取引現場に遭遇し、金を持ち逃げするか、通報するか、スルーするかの3パターンの展開を見せてくる。どのルートを選ぶにせよ、そういう事件に関わったせいでマフィアには狙われる羽目になってしまう。それ自体は別にさほど変な話でもない。
が、そのマフィアに対してお裁縫で対抗するってのが斬新すぎた。お裁縫なんて布をちくちく縫うだけの地味なスキルだと思ってましたが、その認識が一変しました。これがパラダイムシフトってやつか。まさか針と糸とボビンで殺意満々のマフィアを制することができるほど汎用性が高いもんだとは…。バーバラは傾いた裁縫屋を懸命に再建しているようでしたが、それより裁縫教室を開いてあのスキルを伝授すれば一生安泰なのではという気がしないでもない。
それが単なる一発ネタではなくバリエーションが豊富すぎてまた驚かされます。一体どうやってあんなアイデアをひねり出したのか。3パターンそれぞれのルートで全く違った状況が生じ、それに応じた裁縫テクニックを駆使する様がプロフェッショナルでカッコいい。テクが異常に高度すぎてもはや一体何のプロフェッショナルなのか分からなくなりますが。
それどころか仕掛けを作っている様子を見ても複雑すぎて一体何を仕掛けようとしているのか動作するまでさっぱり見当が付かない。裁縫屋さんは普段からあんなギミックを考えているのか? 考えるだけでなく常日頃から訓練してないと絶対できそうにないんですが。
これほど予測不能の事態を連発してくれる映画は滅多にないです。上の予告編サムネに表示されているシーンでは、お裁縫と吹き矢を組み合わせて活路を見出そうとしており笑いが止まりません。さらにクライマックスのお裁縫と謎ダンスを組み合わせた全く新しい戦闘術に至っては笑いを通り越して感動的ですらありました。いやー本当に良いものを見た。
「世界一不運なお針子の人生最悪な1日」(Amazon Prime Video)
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