「ハイジャック・ドライブ 絶望的な12時間」 感想 魅惑のハマグリ王国

概要

原題:12 Desperate Hours

製作:2023年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ジーナ・ガーション

出演:サマンサ・マシス/ハリソン・トーマス/デヴィッド・コンラッド/ジェシー・C・ボイド/ベン・ケイン


その日、主婦のヴァルは幼い子供ふたりと夫の帰りを待っていた。だが、突如武装した冴えない男デニーが押し入ってくる。ヴァルは子供たちを守るため、自ら人質となり車でデニーの元カノの家へと向かう。デニーは元カノとヨリを戻したいがあまり錯乱していたのだ…


予告編

感想



突如見知らぬ男のストーカー行為に巻き込まれることになってしまった主婦の危機を描くサスペンス・テレビムービー。

久々のリールワンエンターテイメント作品。

監督は「バウンド」とかに出ていたあのジーナ・ガーションです。とはいえリールワン作品は基本的に誰が撮っても同じようなノリになるので言われなければ他との違いが分かりません。唯一の例外はジョン・マーロウスキーだけです。



テレビや電話など小道具が妙に古めかしいなと思ったら、本作は1963年に起きた事件を基に書かれた短編小説の映像化だそうです。あまり原型は残ってないんだろうなとは思いますが。



というのも、「絶望的な12時間」なんてタイトルのわりには結構逃げ出せそうなチャンスがあるんですよね。ボウリング場やガソリンスタンドのシーンなんか特にそう。



しかもデニーは訪れる先々で色んな人にくそみそに言われまくるので、コワイとか憎いというよりむしろ気の毒になってきます。元カノの母親には


「まだわからんのか?

娘はここにはいないよ

あんたには存在価値などない

虫けらには虫けらにふさわしい場所があるのさ

ゲボハハハハハ!」


などと嘲笑され罵られ、


車を借りようと兄貴のところへ行ったら、

今度は兄貴の嫁に



「車なんて何に使うの?

またハマグリ王国へ?」



などとののしら…

は?

ハマグリ王国?



本筋がどうでもよくなるほど猛烈に気になるワードです。が、検索してもそんなものは全くと言っていいほど出てこない。


何なんだ…

どこにあるんだハマグリ王国って…


「また」というからにはデニーは何度も行っていることになるわけですが…

北海道でいうところの「きのこ王国」みたいな場所なのか?



しかし、そもそもアメリカ人がハマグリを食べるものでしょうか。

それも気になって調べてみたところ、ボストンやニューヨークではハマグリを生食しているという情報が出てきました。日本ではほとんど食べられていないのにこれは意外。生ガキより美味いという人もいますが、どんな味するのかなあ。




まあハマグリ王国はさておき、あまりにもデニーが色んな人にボロクソ言われるものだからヴァルも私も少しだけデニーに肩入れしたくなってきます。これがストックホルム症候群というやつなのか。そんなデニー君の末路にも多少の救いはあり、そんなに後味も悪くなくリールワン的にはそこそこ楽しめる部類の作品でした。




「ハイジャック・ドライブ 絶望的な12時間」(Amazon Prime Video)




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