「ジェイコブ 危険な息子」 感想 空虚な真相

概要

原題:MOTHER'S DEADLY SON

製作:2022年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:クリス・ランシー

出演:レネ・アシュトン/ブリタニー・アンダーウッド/ノア・ファーンリー


エイデンは弟のジェイコブと崖登り競争中に転落死してしまう。街の人々や父親は何かにつけて兄エイデンと張り合っていたジェイコブを殺人犯扱いし、見かねた母マリアンはジェイコブを遠くの学校へ転校させる。それから2年後、ジェイコブはカンニングで退学になり戻ってくるが…


予告編

感想



アマプラ配信の地雷サスペンス劇場。

と言っても、まあパッと観た感じはそつなく撮れていてひまつぶし程度にはなる作品ではあります。



ただ、中身があまりにも空虚でしょうもない。真相が発覚するくだりのズッコケ感は間違いなく今年最低でしょう。しょうもない映画オブザイヤー2023を与えてもいいくらい果てしなく壮絶にしょうもない。これをテレビで放送しているのをタダで眺めただけならいいけど、わざわざ金を払って(299円)観てしまったと思うとさすがの私も耳から血が出そうです。



崖登り競争中に転落死した兄を殺害したんじゃないかと疑われている弟ジェイコブ。母親マリアンはジェイコブの潔白を信じて無実を証明しようと奔走するが…という話。



まず崖登り競争だなんて16歳にもなってそんなアホなことするなよと言いたいところですが、一般的には大人しいと言われる日本人でも興奮すると道頓堀に飛び込んだりするので血の気の多いヤンキーなら仕方ないかもしれません。私は高所恐怖症なのでどっちも出来ませんけどね。ダサいかもしれないけどいきがって死んだり病気になるよりはましです。



主人公は母マリアンなのですが、やたら過保護なのも気になります。ジェイコブを信じる人はマリアン以外誰もいないので仕方ない面もあるにせよ、息子の周囲に注意を払いまくる母親というのは何となくウザさが漂います。そのマリアンの友人のタラと、エイデンの彼女ステファニーが重要人物として出てきます。が、彼女たちはそこはかとなく似ており途中まで混同して観ていたので別人と分かった時ちょっと戸惑いました。



まあそんな感じで真相は兄弟の確執というより女性絡みのトラブルだったというわけなんですが、別にこれといった伏線とかトリックがあるわけでもないので特に何の面白味もありません。というか仮にトリックがあったとしても面白い真相ではない。



見所はしいて言えばこれですかね。まず崖の上で詰問された犯人が落っこちそうになり、激しく命乞いをします。ジェイコブとマリアンは助けるかどうかひとしきり悩んだ後、やっぱり命だけは助けようとします。が、マリアンたちに手を掴まれた瞬間なぜか犯人は心変わりして「助けるな!殺せ!もうここで死にたい!」などと逆のことを喚きだすっていう。全然意味わかんないし、もう3人まとめて転落死するエンディングにしてくれれば良かったんじゃないかなと思いました。



「ジェイコブ 危険な息子」(Amazon Prime Video)


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