「ワン・マスト・フォール」 感想 特殊清掃業も楽じゃない

概要

原題:ONE MUST FALL

製作:2018年アメリカ

配信:STS entertainment

監督:アントニオ・パントーハ

出演:ヴィンセント・リー・オールストン/チャド・ベイカー/ダニエル・デウェルドン


理不尽な上司に会社をクビにされたシングルマザーのサラは、親友アルトンの誘いで事件現場での清掃作業を行う仕事に就くことに。グロいのは苦手なサラだったが、これも生活のためと自殺者の血や脳みそを掃除していく。だがある日、凄惨な殺人現場での仕事で未だそこに潜んでいた連続殺人鬼に出くわしてしまう…


予告編

感想



特殊清掃を生業とする人々が、仕事中に実はまだ事件現場に潜んでいた殺人鬼と遭遇してしまうホラーコメディ。



特殊清掃業…誰もやりたくない仕事であろうものの、その分労働条件・待遇はそれなりに良いのではないか。リアルグロにさえ耐えられれば会社員より無駄なストレスなく働けるのではないか…などと真面目に検討してみたこともありました。しかし実際そんなに給料が高いわけでもなさそうだし、グロ耐性が弱い私だと防護服の中にゲロってしまうと考えられるので断念せざるを得ませんでした。



そういう特殊な業者の仕事ぶりを描く前半はそれなりに興味深く観られるし、そんな人たちが殺人鬼に襲われるのもあまり見たことのない状況であるため、わりと期待感はありました。が、どうしても低予算映画の悲しさか殺人鬼も途中からやることがなくなりダラダラした会話で引き伸ばしてる感は否めない。こんなことなら本題に入る前にもう1件か2件くらい通常業務のシーンを入れておいても良かった気がします。



むしろ殺人鬼とかいらないから、特殊清掃業をネタにしたゆるめのグロコメディくらいがちょうど良かったかもしれません。スキンヘッド殺人鬼のキャラがちょっと薄味だし、特殊清掃人の中にもその殺人鬼そっくりなスキンヘッドがいて正直区別がつきません。なんでこんな似ている奴を並べるのか。また、重要人物っぽいやつがあっさり殺されたりしますが、意外性があるというよりもったいない感が先立ちます。


そんなスキンヘッド殺人鬼の


「お前たちの死体は誰が清掃してくれるんだ?」


という決め台詞はなかなか印象的でカッコよく聞こえたものの、まあ別に他の業者がやってきて清掃してくれるだけでしょう。殺人鬼のやられ方もあっさりすぎるし、目の付け所は悪くないのに何かもったいないと感じる作品でした。ただ、ラストでの主人公の無残な姿は結構インパクトがあり、そこそこ記憶に残る作品とは言えます。



「ワン・マスト・フォール」(Amazon Prime Video)


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