「デンジャラス・テリトリー」 感想 灰 色 熊 直 撃

概要

原題:Into Dangerous Territory

製作:2015年カナダ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ジョン・マーロウスキー

出演:ヴィクトリア・プラット/K・C・クライド/ヴァネッサ・ヴァンダー・プライム


宝石店で働く裕福な女性ミアは、ある時お客としてやってきた自然ガイドのリードとイイ感じの仲になる。だが、リードは地元で起きたグリズリー襲撃事件の知らせを聞き、アラスカへ帰ってしまうことに。ミアはリードを追いかけアラスカまでやってくるが、グリズリーの脅威が彼女たちを襲う。


予告編

感想



ジョン・マーロウスキー監督の2015年製テレビ映画。

この監督は当たり外れが大きくて好きですが、本作は大ハズレ。グリズリーがたびたび映ること以外はただのありきたりな薄味テレビクソ映画です。



まず、なんといっても実質的にほぼ恋愛ドラマだというのが一番キツイ。しかも恋愛ものとしても特にそれほど起伏も見所もなく、平坦で呑気なだけ。今回もオシャレなお店で働く裕福な白人女性がダンディな男性客と運命的な出会いを…っていうパターンです。



冒頭こそグリズリーによる襲撃が描かれるものの、あまりに内容がなさすぎて30分で眠りに落ちました。その後はグリズリーの唸り声が聞こえた時だけがんばって起きるという見方をしていましたが、その点についてはまあまあグリズリーの出番が多くて良かったと言えなくもないです。



と言ってもやっぱりテレビ映画なのでグリズリーが直接人を傷つける映像は全く映りません。出てきても吼えながらウロウロするだけです。牙が抜かれてるように見えたので飼育されてるグリズリーですかね。それはいいんですが、ストーリー的にはグリズリーが出てくる必要があったのかよく分からない。主人公ミアとリードの恋愛ドラマのちょっとした障害、スパイス程度の存在に過ぎないように見えます。まあ女性向けメロドラマなのにこれだけグリズリーが出てくるのも珍しいし、そこはさすがジョン・マーロウスキー監督というべきなのかもしれません。



ところで、うちの近所でも最近はヒグマの目撃情報が後を絶たず、その辺をジョギングすることすら憚られる状況になっています。自宅を一歩出れば猛獣にとって喰われる危険があるのです。なんという緊張感。まさにデンジャラス・テリトリー。札幌の住宅街ですらそうなんだから、アラスカの森などなおさらでしょう。



…だというのに、この都会者の富裕層ミアはクマ出没注意の看板を見ても「まさかね」と言うだけでジョギングしてはグリズリーと遭遇し、ヘビイチゴを摘みに行ってはグリズリーと遭遇し、イチャイチャ川釣りをしてはグリズリーに遭遇します。いくらなんでも油断しすぎではないか。まあ遭遇しても全然襲ってはこないんですが。3回目あたりはそろそろ襲えよと言いたくなりました。ということで面白くはないけどクマの出番だけは多いので、クマ映画マニアは押さえておいてもいいかもしれません。



「デンジャラス・テリトリー」(Amazon Prime Video)


コメント