「ウンチク/うんこが地球を救う」 感想 世界はクソにまみれている

概要

製作:2022年アメリカ

原題:Shit Saves the World

配信:エクストリーム

監督:トロイ・ヘイル


地球上のすべての生き物がするもの=うんこ。

その歴史と現実、そして可能性に満ちた未来を検証する、

映画史上初のウンコメンタリー!

(↑公式サイトより)


予告編

感想





久々の更新ですが、今日はこのクソ真面目なドキュメンタリー作品を鑑賞致しました。



当ブログでは普段からこれはクソ映画あれはクソ映画と書きなぐっているせいか、私をボロカスに非難するメールが送りつけられてくることもあります。なのでもうクソ映画ランキングとか作るのはやめた方がいいのかなと思っています。それでも私はどんなにひどいクソ映画を観ようともなんとか一つくらいは美点を見出してソフトな感想を書こうと努力しているのですが、それも度が過ぎるとストレスの溜まる行為になります。言いたい…思う存分クソ映画に対してここがクソだそこがクソだと言ってしまいたい!



そんな今の私にとってこのクソ映画は最高でした。なんせ頭から尾っぽまでまるごとウンコについての映画なのです。これならいくらクソだクソだと言っても誰にも怒られないでしょう。



とはいえ一応言っておきますが、私はどこか尖がった変な映画や一芸に秀でた変な映画を観たいのであって、単なるクソなだけの映画を観たいわけではないのです。そういう変な映画を探していると結果的にクソ映画を引き当ててしまうことが多く、いつの間にかクソ映画マニアのようになってしまっただけなのです。



それはともかく本作の内容ですが、ウンコについて非常に肯定的、前向きな情報で固められたドキュメンタリー映画でした。まあ普通はウンコと言えばネガティブな要素しか想像しないので映画としては極めて真っ当な方向性かと思います。ウンコから紙を作る人もいれば家を建てる人もいるし、時にはレンガになったりエネルギー源になったりもする。クソからは微量のレアメタルも採取できるし、火薬を作ることもできる。持続可能性が問われる昨今、クソを資源として活用しなければ地球に未来はないとも言えるのです。



クソから栄養を摂取する動物も紹介されます。有名なのはウサギやフンコロガシですね。映画には出てきませんでしたが、ウグイスのフンは美肌化粧品として古来より珍重されてきました。私もゴロゴロしている時にインコが顔の上で遊んでいるなんてことはよくあったのですが、その時にうっかり口を開けてしまいフンを放り込まれたのも今ではいい思い出です。



このように人間が動物のクソを摂取することは決して珍しくないのです。ジャコウネコのフンから作るコーヒー「コピ・ルアク」は非常に有名ですが、ゾウのフンから作る「ブラック・アイボリー」なるウンコーヒーの存在は本作を観て初めて知りました。別に飲みたいわけではないけど超高級品らしいので美味いのでしょう。これはいいウンチク。ネコとゾウがありならイヌとかウシとか他の動物製のウンコーヒーもいずれ出現しそうですね。…と思ったらサルとタヌキは既にあるそうな。



さらに、クソから薬を作ることもできるようです。そういえば昔、梶原一騎の劇画で見たことがあるんですが、全身に生傷を負った時は熟成した肥溜めにどっぷりと浸かることで回復が早まるそうです。それはさすがにマネできませんが、考えてみれば私は常日頃からクソ映画にどっぷり浸かっているので精神的には既に実行しているとも言えます。クソ映画は癒し。



ウンコ、クソとは忌避すべきものでもなければ不要なものでもないのだ、ということが本作を観れば分かります。

むしろ地球や人類、動物たちにとって必要不可欠な存在なのです。

それと同様にクソ映画もマニアのエネルギー源として必要な物であり、ここのようなクソブログも必要としてくれる方もいないことはないかもしれない。だから何があっても細々と続けていこう…そんな風に思いました。


コメント

める さんのコメント…
岩石入道様のこのブログ大好きです。
クソ映画というか尖った映画の話、マニアックな映画の話がまっとうにされている数少ない場所なのですごく好きです。
岩石様が紹介なさっていたから見てみようと思える映画が増えて、選択の幅が広がって有難い限りです。
誹謗中傷等あまり気にしないでこれからも楽しく更新してもらえたら嬉しいです。

梶原一騎の劇画で肥溜めに入って回復…
インド等ではまだそういった迷信を信じてらっしゃる方もいるようですが、基本的に菌とかやばいので浸からない方がいいです。。

クソ映画というか珍作奇作にはいくら没頭しても健康でいられるので良かったですよね!
岩石入道 さんの投稿…
>めるさん

ありがとうございます。そう言ってもらえるとうれしい限りです。個人の偏った感想なんでどうしても気に入らないという人は出てきてしまいますが、めるさんのように言ってくれる方もいますし、今後もマイペースでやっていきたいと思います。奇作珍作を見つけたらどうしても語りたくなりますしね。


>浸からない方がいい

今どきもう熟成した肥溜めなんて存在しないはずだからやりたくてもできないと思いますが笑、どう考えてもやばい病気になりますよね。その辺のムチャクチャさも昭和の劇画の面白さですが、あれはインパクトありすぎでした。