「悪魔の奴隷」 感想 ゾンビvsイスラム教徒

概要

原題:SATAN'S SLAVES

製作:2017年インドネシア

発売:ツイン

監督:ジョコ・アンワル

出演:タラ・バソロ/ディマス・アディティア/アユ・ラクシュミ


リニの母親は原因不明の病で倒れ、3年後に亡くなってしまう。父親は出稼ぎに行き、リニは一人で3人の弟の面倒をみることに。だが、母親の亡霊がたびたび怪異を起こすようになる。リニは母親が生前に怪しい集団と関わっていたことを知るが…


予告編

感想





2017年のインドネシア産ホラー映画。


インドネシア映画はあまりなじみがありませんが、今月末にはこちらでも本作の続編「呪餐 悪魔の奴隷」が劇場公開されるということで、今のうちに前作を鑑賞しておくことにしました。それにしてもパッと見では続編だと分かりにくいタイトルですね。本作の存在自体もわりとマイナーな気がするし…



ちなみに本作は「夜霧のジョギジョギモンスター」(1987)のリメイク作品だそうです。いかにも80年代悪趣味ビデオ的なイカす邦題ですなあ。リメイクということは本作にもジョギジョギなモンスターが出てくるのでしょう。ジョギジョギとは一体どういう感じのモンスターなのか非常に気になります。



内容は、田舎の一軒家に棲む一家が謎の心霊現象とカルト的集団に襲われるというもの。ホラー的には非常にオーソドックスで、貞子風幽霊・井戸・ジャンプスケアの組み合わせでじっとりしたJホラーチックな怖がらせ方をしてきます。これは大変お上品な雰囲気が漂う作品です。



そういうのはもう見慣れているので特別怖いとは感じませんでしたが、インドネシアというお国柄が合わさることによって独特の味を醸し出してくれます。あちらは国民の大半がイスラム教徒とのことで、何かあれば頼るのはモスクの人だったり、あるいは直接アラーに祈りを捧げて救いを求めようとします。しかしそんなことではまるで何の解決にもならず、ある意味イスラム教徒の方が観たら不愉快に感じてしまうのでは…とか若干よけいな心配をしてしまわないでもない。



リニの家で起こる心霊現象を調べるうちに悪魔カルト集団との関わりが明らかになっていく展開はサスペンス的な興味を惹かれます。インドネシアはみんな何かしらの宗教を信仰しているそうで、そういった信仰心の篤い国だからこそ悪魔カルト集団という影も色濃くなるのでしょうか。イケニエとなる対象の指定、雨の中現れ赤い種を撒く黒ずくめの人々は非常に不気味でイイ感じです。そして満を持して現れるゾンビの群れ…



…でも、カルト集団の繰り出す兵がゾンビってのは若干肩透かしでしたね。まあ本作のタイトルは「悪魔の奴隷」であって別にジョギジョギモンスターではないのでゾンビでも何もおかしくはないのですが。聞いた話ではオリジナルの方にも別にジョギジョギモンスターは出てこないそうなので、バブル時代に調子に乗ってアホなタイトルをつけたビデオ会社が悪いだけではあるのですが。こうなるとほぼ原題直訳の邦題で売り出した㈱ツインさんの生真面目さが俄然際立ちますね。



ゾンビが人のハラワタを喰らうといったスプラッタな見所は特に何もないので、ゾンビ映画として観てしまうと物足りなくはあります。エンディングを見るにこの事件はまだほんの始まりに過ぎないんだ、本番はこれからだぜと言いたげな雰囲気を強く感じるので、続編の方に期待しておきたいと思います。


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