「シーフォーミー」 感想 見えざる者の刃

概要

原題:See for me

製作:2021年カナダ

発売:クロックワークス

監督:ランドール・オキタ

出演:スカイラー・ダベンポート/ジェシカ・/パーカー・ケネディ/パスカル・ラングデール/ジョー・ピング


猫シッターのアルバイトのため、人里離れた豪邸を訪れた盲目の少女ソフィ。だがその夜、強盗団が侵入してくる。ソフィは視覚障がい者サポートアプリ「シーフォーミー」を使ってその場を切り抜けようとするが…


予告編

感想





豪邸で留守番していた盲目の少女が武装強盗団と戦う。「ドント・ブリーズ」の逆視点バージョンのようなスリラー。逆というかこれが普通か。目新しいのはスマホアプリを駆使して立ち向かうところです。



主人公ソフィはどちらかと言えば悪側の人間で、バイトで富豪宅の留守番をしつつ金目の物を盗む気満々、性格も歪み気味。これだと主役に肩入れできないのが微妙っちゃ微妙ですが、まあ「悪 vs 悪」という構図ではそこそこ楽しめました。



ただ、この状況設定には相当無理がある気がします。あんなでかい豪邸に得体の知れない盲目の人間を上げて、しかも愛猫の世話をさせようってのは大富豪としては無防備すぎるんじゃないのかと。ペットホテルを使わない理由がない。実際ソフィはタバコ吸おうとしてオートロックで締め出されてたし、盗みも働くしで安心して留守を任せられる人材とは思えません。猫の世話なんか全然してなかったし、シッターとして悪評価が積み重なっていてもおかしくないんですが。タバコの火はちゃんと始末できるのかな。



しかしその代わり、生存能力が異常に高くて驚きました。強盗団との追っかけっこでもっと引っ張るのかと思いきや、早々に見つかってしまう。ここから一体どうすんだ…と思わせてからの二転三転する展開はすごい。相当な悪党じゃなきゃ出来ないような立ち回りにビックリです。




以下ネタバレあり




とはいえ強盗団があまりに虚弱すぎるように見えてしまうのも否定できないところ。元軍人のFPSゲーマーがスマホ越しにソフィをサポートしているとはいえ、盲目の女の子にサクサク殺られていくとは情けないにもほどがある。真っ暗闇の状況ならまだしもそうじゃないのに一体何をやっているのか。しまいには命乞いする奴までいるし。あいつまで殺る必要あったかなあ…と思ってしまいましたが、口封じですかね。ソフィの冷酷非情さは常にこちらの想定を超えてきます。アプリよりメンタルの方が武器として際立っていた印象。純粋に善意でサポートしていた元軍人もソフィがこんなワルだと気づいてないのが胸糞悪いですね。



強盗が弱いと言っても銃とサポート付きでやられるならまだましなんですが、それらのハンデ全部なしの対等な条件で殺られたボスについてはもはや擁護不可能です。スペランカーより弱いと言わざるを得ない。さすがにそこらへんのリアリティというか説得力はありませんでした。




考えられるとすればもともとソフィは大の男を対マンで倒せる戦闘力を持っており、かつあの極限状況で聴覚が超強化されたということでしょうか。スキーヤーじゃなくて暗殺者という設定が似合いそう。もはや化け物ですね。それならそれで強盗団視点のホラー映画にした方が面白いのでは…ってそれはもうドント・ブリーズでした。


コメント

きなこ さんのコメント…
シーフォーミーの女優さん
本当に目が見えないみたいですよ‥
びっくり。
岩石入道 さんの投稿…
>きなこさん

そうみたいですね~…
こういう映画がもっと増えるといいですね。