「"あれ"がいる廃墟」 感想 二転三転するアレ

概要

原題:AGAINST THE NIGHT

製作:2017年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ブライアン・カヴァラロ

出演:フランク・ホエーリー/ハナー・クリーマン/ティム・トーレ


学生時代の仲間たちが集まった夜。映像業界に勤めるハンクは、近所にある心霊スポット「ホルムズバーグ刑務所」へ遊びに行こうと言い出す。二人一組にしてカメラを持たせ、面白い映像が撮れればいいと思っていた。だが、そこには恐るべき”あれ”がいたのだった。


予告編

感想



某邦画のパチモン仕立て謎映画。


バカな若者グループがビデオカメラ片手に心霊スポットへ突撃したらひどい目に遭う。一見、もう何千本作られたか分からないほど類型的なモキュメンタリーホラーです。



しかも本作はその若者グループの人数がやたら多くて10人くらいいます。そんな大人数でワイワイガヤガヤ廃墟侵入するなぞ大迷惑行為以外の何物でもない。”あれ”がいなくてもなんか事故が起こりそう。さらにリーダーのハンク以外は名前と顔がまるで一致せず、誰が誰だかまったくわかりません。POVなのかと思えばやたらとカメラがガチャガチャ切り替わって中途半端だし。実際のホルムズバーグ刑務所で撮影しているため雰囲気は素晴らしいが、全体的に映像があまりに暗すぎて非常に観にくい。これはかなりろくでもないクソ映画なのではないか?



…と思ったんですが、人数が多い分キルカウントも多く、不気味な刑務所跡でバカな若者がザクザク殺されていく様はわりと楽しめます。それに加え、そこに巣くうのは心霊なのかドッキリなのか、それともケモノなのかホームレスなのか、あるいは…と正体を引っ張りまくりながらも予測を裏切り続ける"あれ"の存在感も悪くはない。この手の安物モキュメンタリーホラーにしてはかなり頑張っている方で好感が持てます。



ただ、正体が判明するだけましとはいえ投げっぱなしでなんじゃそりゃ~としか言いようのないあのオチにはもう笑うしかありません。ホルムズバーグ刑務所ってそういうところなの??と思って調べてみても囚人に皮膚関係の人体実験をしてたとしか出てこないし。まあ”あれ”とはそんな気の毒な囚人たちの成れの果てである…と考えられないこともありませんが、単なるノリだけであのオチになってるように思えてならない。まあ観ている間面白ければ何だっていいんだよという駄菓子的な味わいを想定して鑑賞すればそこそこ楽しめるのではないかと思います。



「”あれ”がいる廃墟」(Amazon Prime Video)



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