「バーチャル・コード」 感想 Seven lights of parents

概要

原題:Campus Code

製作:2015年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:キャサリン・スコセッシ

出演:ハンナ・ホドソン/ジェシー・マッカートニー/リテーシュ・ラジャン/マーティン・スコセッシ/レイ・リオッタ


どっかの大学の中で、次々と奇妙な現象が起こり始めていた。Tシャツのデザインをパクられてケンカしている学生が屋上から落ちても無傷で助かる、地震が起きても微動だにしない学生たち、いきなり爆発四散するダルビッシュ似の学生…。ルールを破ると黒服に捕まり追放されるこの世界は一体なんなのか?


予告編

感想



例によってアマプラ配信の謎映画ですが、なんと本作はあの巨匠マーティン・スコセッシの娘キャサリン・スコセッシが監督を務めている作品です。謎映画だから何の宣伝もなくぬるりと配信されているので仕方ないけど、全然話題になっていません。アルバトロスとかアットエンタテイメントとかその辺が買い付けてたら大々的にアピールするに違いないのになんでスルーしてたんですかねえ。



しかし、中身の方はけっこうキツイものがありました。やっぱり強大な七光りパワーのわりに配信スルーされただけのことはあると言わざるを得ない。オープニングからいきなりの全力疾走にポカーン。どっかの大学の中で起こる怪現象や学生のTシャツパクリ騒動を発端とする喧嘩がやたらスピーディにテンポよく描かれ、誰が主人公なのかも分からないまま様々な登場人物が次々と現れては大量の謎めいた意味不明なセリフをこれでもか!これでもか!と連発。



端的に言って完全に置いてけぼりを喰らいました。何が何だかわかんねえですよこんなの。「巨匠ってのは難解な見せ方をするもんだぜ!」的な驕りが垣間見えるというかね。自己満足的な香りが漂ってくるんですよ。とはいえ怪現象のビジュアルとこの邦題を考えると、おそらくこの大学はオンラインゲーム、今風に言えばメタバース的な電脳空間なのであろうとは容易に予想は付きます。



そうと予想はついたうえで、それでもそれなりに意外性のあるオチへ持って行ったのは良かったです。映像的にはすごくチャチいし色々ツッコミ入れたくなるし、ネカマ(笑)ですが、それなりに意欲的なネタを盛り込んで凝りに凝った入魂の作だったのではないかと思います。つくづくオープニングから終盤までひたすらわけのわからん視聴者おいてけぼりのカオスなクソ展開だったのがもったいない。伏線張り作業もいいけどそれだけでは観てる方はつらいんですよ。



マーティン・スコセッシ御大も頑固そうな巨匠と言えども娘には甘いのか、医者役でちょいちょい出てきます。この爺さん耄碌してやがるぜと言わざるを得ないかもしれません。そんなことして遊んでいるヒマがあったら脚本とか編集の方になんかアドバイスすることはなかったんでしょうか? いや、もしかしたら余計なアドバイスをしたからこそこうなったのかもしれませんが。ただ、調べてみると本作はもともとは映画として製作されたわけではなくJumpViewとかいうサイトの一コンテンツとして作られた作品らしく、そのせいでカオスなことになってるのかもしれません。


ついでにレイ・リオッタも出ているらしいけど、どこにいたのか分かりませんでした。


「バーチャル・コード」(Amazon Prime Video)

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