「ケージ 檻の中の女」 感想 パピーミル滅ぶべし

概要

原題:Days of Power

製作:2017年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ジェイソン・パニョーニ

出演:エリック・ロバーツ/エリザ・ロバーツ/ジェニー・ハットン/アリッサ・リー・ルイス/トム・トリートリー


人気バンドのメンバーが突如失踪した。彼らは愛犬に兄弟を迎えるため、ミズーリ州のブリーダーを訪ねていたのだ。だが、彼らはそのブリーダーが怪しげな男と不正な犬の売買を行っているところを目撃し、犬と一緒に檻へ閉じ込められてしまう…


予告編

感想



残酷な子犬工場を訪れた人気バンドが、狂気の悪徳ブリーダーに襲われ監禁される様を描いた動物愛護スリラー。



定番の田舎ホラー展開の悪役をパピーミルとしたことで何となく社会派的な高尚さが生まれており、あとはしっかり田舎ホラー部分をやり切ればそれなりに面白い作品になったのではないかと思われます。



…しかし、何を血迷ったのかカメラワークと時系列がグチャグチャに切り刻まれており、無駄に見辛く分かりにくくなっています。どうでもいいシーンでもいちいちカット割りが激しくうるさいのはいかがなものか。アマゾンの紹介文には「まるで過去の記憶をランダムに手繰り寄せていくように、時間軸を錯綜させた形で映画は進行していく」とありますが、サイコ野郎に監禁されているシーンからいきなりどうでもいい日常シーンやバンドのライブシーンへの移行が頻繁に繰り返されるのも非常に興が削がれます。一体なんでこうなったんですかね…



本作、クソ映画御用達俳優御三家の一角エリック・ロバーツとその奥さんのエルザ・ロバーツが夫婦そろってカメオ出演しています。というかimdbでは一番上にクレジットされていたのでもうちょい重要な役どころなのかなと思ったらほんの1~2分だけの出演。頼めば何でも出てくれるんだろうな…。まあ今回のエリックも悪徳ブリーダーと取引する悪辣なビジネスマン風の男という毎度おなじみすぎる役どころでクソ映画マニアを笑わせてはくれます。



犬を残酷に扱う悪徳ブリーダーが出てくるとはいえ、犬が直接的にひどい目に遭う描写がないのはぬるいというかありがたいと思うべきか。題材的にごつい犬は出てこないので監禁されているバンドメンバーの周りには常にカワイイ犬がワンワン吼えており、脱出を手伝ってくれる賢い犬の存在もあり田舎ホラー、スリラーとしては緊張感が希薄です。無駄に長いエピローグの「いい話感」で本作が実話ベースであったことを思い出させてくれますが、それならそれでまともな編集で出せよと言いたくなる作品でした。



「ケージ 檻の中の女」(Amazon Prime Video)

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