「エアポート2022 ザ・トップガンナー」 感想 アルバトロスの良心を感じる

概要

原題:TOP GUNNER: DANGER ZONE

製作:2022年アメリカ

発売:アルバトロス

監督:グレン・R・ミラー

出演:マイケル・パレ/マイケル・ブロデリック/アンナ・テルファー/ジャック・ピアソン/トリー・リチャードソン/エドウィン・モドリンⅡ


JFK空港発、ドミニカ行き2191便に爆弾が仕掛けられた。航空保安官のマイケルはたまたま乗り合わせた乗客の元軍人と共に爆弾を探すことに。だが、2191便は爆弾が仕掛けられただけではなく、敵国のドローン戦闘機までもが迫っていた。


予告編

感想



久々のマイケル・パレ主演作。


原題は「TOP GUNNER: DANGER ZONE」ってことでもろにアレの擬態です。予告編のサムネを見ても分かる通り本気で騙しにかかっています。アサイラムは数年前にもう「トップガンナー」というクソパチモンを出していたのですが、当のマーヴェリックが何度も延期したせいで便乗するタイミングを間違えてしまい、また改めてやり直すことにしたようです。


ですが、日本版はどうしたことかトップガン臭を控えめにして「エアポート」のパチモン仕立てにされています。


(↑アルバトロスHPより)


なんだこのキメラのようなパチモンは…。


しかし、実際に本編を観てみるとこれが大正解。戦闘機によるドッグファイトシーンなど予告編をでっちあげるため申し訳程度に突っ込んであるだけで、これはどう考えても「エアポートパチモン」の系譜に連なる旅客機サスペンス・アクションと言えます。あのアルバトロスにも一応少しは良心が存在したというわけですね。しかし、なぜアサイラムはトップガンを求めて借りてしまった被害者にわざわざ別ジャンルの安物を見せようとするんでしょうか。どうせ安いにしても安いなりに戦闘機モノを作ってあげればいいのに。



まあそれはそれとして、旅客機に爆弾が仕掛けられ、それを航空保安官のマイケル・パレが捜査するという話。よく見れば機内をうろうろしているだけでカネのかかっている映像なぞほとんどありませんが、マイケル・パレの役者力もあってそこそこ真面目に航空パニックサスペンスしているような雰囲気もあり、アサイラムの作品としてはかなり楽しめる方です。「エアポート2021」といいエアポート・パチモンシリーズはわりとクオリティが高い傾向にありますね。




以下ネタバレあり




…ところが、そのマイケル・パレは中盤でまさかの退場ですよ。しかもツッコミどころ満載のめっちゃ雑な死に方。本命の爆弾とはまた別の爆弾であっさり爆死っていう。爆風の合成がちゃちいぞ。マイケル・パレが体を張ってみんなを守ったんだ…とか言ってたけど、それにしても旅客機の貨物室で爆発があったのに乗員乗客揃って誰も気が付かないってどうなんですかね。まあ、別に人知れずひっそりとマイケル・パレが爆死してもいいっていうかむしろ「らしい」死に様ではありますが、彼の他には三流役者しかいないのでその後は作品としての面白味も大失速。結局、一晩寝たら存在そのものを忘れてしまいそうな作品でした。

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