「シン・クロコダイル」 感想 ギュスターヴを中華街のシンボルに

概要

原題:CRAZY TSUNAMI

製作:2021年中国

発売:プライムウェーブ

監督:ヂョウ・ジゥチン

出演:ロン・フェイ/ワン・インルー/リュウ・シーミン/ダニエラ・ワン


チアンポンは中華街の有力者がアフリカで捕らえさせた巨大ワニ”ギュスターヴ”を移送していた。だがその途中、巨大な津波に襲われ、ギュスターヴが逃げ出してしまう。チアンポンたちは浸水したスーパーマーケットへ逃げ込むが…


予告編

感想





津波で浸水したスーパーマーケットで巨大人喰いワニが人々を襲う!


ま…またしても「パニック・マーケット」のパクリスペクト映画か!

それこないだやったばっかりでしょ!



一体「パニック・マーケット」の何が中国人をそこまで惹きつけるのか。どうせなら「シン・パニックマーケット」っていう邦題でも良かったと思います。っていうか同じ邦題の中国ワニ映画が前にもなかったっけ?と思ったけどあれは「メガ・クロコダイル」だったか…何にせよ紛らわしいですな。ジャケ絵は完全に「クロール 凶暴領域」だし。



そんな中国人の節操のなさはともかく、内容についてはかなり良いです。近年の中国映画界はしょうもないモンスターパニックを粗製乱造しているイメージが強かったんですが、これだけ作りまくってるとさすがにレベルアップしてくるものかもしれません。中国共産党の規制も少しは緩んできてるのか、それなりに流血や食いちぎりなど凄惨な描写もありワニ映画として普通に上位に入れるくらいクオリティが高く、楽しめました。



本作で襲ってくるワニはあの人食いワニ界のカリスマ”ギュスターヴ”です。架空の存在ではなくアフリカのブルンジに実在し、300人を超える人間を殺したとか水牛やカバまで喰ったとか遊び半分で人を殺すとか色んな逸話を持つレジェンドワニ。「カニング・キラー 殺戮の沼」というワニ映画もギュスターヴを題材にしてましたね。



カニング・キラーはアフリカが舞台でしたが、本作の場合どっかの中華街の有力者チャーさんが街のシンボルにしようとギュスターヴを捕らえてこさせたという設定。そんなことしていいのか? そもそも捕らえられるか? 実に図々しい中国人ですなあ。しかもこのチャーさん、異常にステレオタイプな悪役描写で笑わせてくれるのですが、クライマックスでその悪事が露見した後のヤケクソぶりがまたおもしろい。アニマルパニック映画でやらかす街の有力者は数いれど、あんなことする奴初めて見ましたよ。ただ、そこからの決着の付け方はめちゃくちゃ雑でした。チャーさんの末路も描かれないし。一応前半はそこそこシリアスな雰囲気を保っていて「今回は一味違うな!」と感心していたのに後半はいつも以上のバカ映画になったなあという印象でした。


コメント

切り裂きシンザ さんの投稿…
前も言ったような気がしますが、「パニック・マーケット」は中国の映画館で観ました。私は英語も中国語もできませんが、ほぼ単純な英語と漢字字幕という組み合わせで内容が理解できましたw。冒頭の津波のシーンをみて日本では当分公開できないなと感じたのを覚えています。わりと入りもよかった気もするので中国ではヒットしたのではないでしょうか。

なぜ中国で映画を観ることになったのかとか、隣に通訳できる人間はいなかったのか?とか疑問はあるかと思いますが、ノーコメントでw
岩石入道 さんの投稿…
>切り裂きシンザさん

そういえばその話、前にしてましたね!中国で観たのは切り裂きシンザさんが国際的ビジネスパーソンで海外出張のストレスを癒すためについサメを求めてしまったというわけですね、わかります。
改めて調べてみたらパニックマーケットはサメ映画のくせに中国では「アバター」超えのメガヒットを記録していたそうで…よほどああいうのが中国人の好みに合っているんでしょうね。