「MAGUMA マグマ」 感想 食べ過ぎでお腹を壊した地球

概要

原題:Magma: Volcanic Disaster 

製作:2006年アメリカ

発売:プライムウェーブ

監督:イアン・ギルモア

出演:ザンダー・バークレイ/エイミー・ジョー・ジョンソン/デヴィッド・オドネル/レイコ・エイルスワース


アイスランドで休火山が突如大噴火。専門家のシェパード教授は地球が食べ過ぎでお腹を壊していると分析。このままでは世界中の火山が大噴火し、人類は滅亡を免れ得ない。ただ一つの解決策は、海底から地球に核弾頭をぶち込んでマグマを放出させてやることだけだった。


予告編

感想





お腹を壊した地球が世界中の火山を大噴火させてしまうディザスターパニックテレビムービー。つまり本作におけるマグマは下痢便ということですね。



地球規模の大災害に安い人間ドラマを組み合わせ、そこに大統領の演説、結局核弾頭で何とかするアメリカ、おまけ程度に力を合わせる世界各国と「これでもか」というほどローランド・エメリッヒ的な味付けを施されてます。



その「地球がお腹を壊した」結果なぜ噴火に至るのか、などの理屈はそれなりにハッタリが効いているし、出演者も「24」で見た顔が出てきてそれなりに豪華な感じもする。アサイラム映画に比べれば非常にまじめに、ちゃんとかけるべきコストをかけてしっかりエメリッヒをパクっているのでわりと好感が持てます。火山の調査や議論だけで終わらず、潜水艦で決死の作戦を展開するクライマックスなどもそれなりにスペクタクルであり、手に汗を握れる程度にはスリリングでそれなりに楽しめます。それなりに。



あとは細かい点ですが、主人公シェパード教授の師匠が火山の調査のために「本州へ行く」と言い出したところは引っかかりました。そこは普通「日本へ行く」じゃないんですかね。アメリカ人が「ホンシュー」とか言ってるところを初めて見たんですが。特に解説もなかったのでテレビで本作を眺めていた一般のアメリカ人視聴者にはたぶん伝わってないような気がします。で、この師匠はただ本州に来て何もせず富士山の噴火に巻き込まれてさっさと死亡。何のために出てきたのか。日本もあえなく壊滅したようです。



世界中の火山が噴火するのを一体どう止めるのか?


っていうのを毎度おなじみ万能兵器・核弾頭で解決しようとするのは実にエメリッヒ的であり脳筋アメリカ万歳的でありひどくウンザリさせられます。お腹を壊して肛門とパンツが危険だからお腹に穴を空けてそこから下痢便を出してしまおうぜ!的な発想にはちょっと納得できない。


が、潜水艦で海底へ乗り込むこと自体は映像的にもなかなか良い見せ場だと思います。CGのクオリティも高いし。このサービス精神をアサイラムも見習ってほしいですね。ただそんな目立った危機に陥ることもなく、出番が少なくて影の薄かった地味な大統領のどうでもいい演説でヌルッと終わってしまったのは残念でした。


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