「ブラッド・パンチ タイムループの呪い」 感想(ネタバレあり) 死を繰り返すジャンキートリオ

概要

原題:Blood Punch

製作:2014年アメリカ

発売:アマゾンプライムビデオ

監督:マデレイン・パクソン

出演:マイロ・コーソーン/オリビア・テネット/アリ・ボーイランド


薬物依存のリハビリ施設に入っていた元学生のミルトン。ある時、新入りの女スカイラーに覚醒剤精製の仕事を持ちかけられる。スカイラーの彼氏ラッセルと3人、人里離れた狩猟小屋で仕事に取り掛かるが、成り行きでラッセルを殺してしまう。ミルトンは死体を埋めるが、翌朝になるとラッセルが生き返っており、なぜか埋めた死体もそのまま残っていた…。


予告編

感想






ミッドナイトリリーシング&アマゾンプライム配信の新作タイムループ系ホラー。新作と言っても製作は7年前の作品ですが。



ヤク中リハビリ施設で出会い、人里離れた狩猟小屋で覚醒剤を精製していた3人組がネイティブアメリカンの呪いで死のループにはまり込む。またしても死のループ系です。最近流行っているとみて掘り起こしてきたんでしょうか? ただミッドナイトリリーシング製にしては意外とクオリティは高いです。Z級スレスレの超低予算のわりには楽しめる部類。アマプラでろくに宣伝もせずひっそり配信してるのは少々もったいないかも。



主人公ミルトンは元工学系の学生で、リハビリ施設にいるところをスカイラーという怪しい女にそそのかされて覚醒剤精製の仕事に関わることに。しかし首謀者のラッセルは非常に粗暴で頭のいかれた悪魔のようなクソ野郎だった。なんやかんや揉めてミルトンはラッセルを殺してしまい、その辺に埋めるが、翌朝ラッセルは生き返っていたうえに埋めた死体はそのままでなんじゃこれという話。



タイムループ系の話なのに殺した人物の死体がそのまま残っているという設定は珍しいです。本作の他には「グラビティ 繰り返される宇宙」くらいしか思いつかない。あれと同じようにループを繰り返せば繰り返すほど死体がモリモリ増えていくので、映像的にはなかなかインパクトがあります。ただ「オレはもう拷問殺人さえ朝飯前なんだぜ」と示すシーンはもう少し派手な死体を出してくれても良かったと思いますが。やっぱり特殊メイクする金がなかったからかな…。惜しい。



最初は恐ろしくイカレた悪党に見えたラッセルも何度も何度も雑に殺されていくうちに何だか頭が弱いだけのイイ奴に見えてくるから不思議です。というかこの映画に出てくる人物は主人公ミルトンを含めて全員ろくでもないのでラッセルでも比較的マシだったという。まあ覚醒剤精製なんてやろうとしてる奴らなんだからロクデナシで当然と言えば当然ですが。



以下ネタバレ



しかし何だかんだ単細胞な男どもより何よりスカイラーが最悪な腐れビッチで、最初はラッセルと2人でループしてミルトンを殺してたけど、一向に脱出できないからラッセルよりも知能が高いミルトンに乗り換えたというとんでもないクズ。そんな唾棄すべき腐れビッチなのにミルトンはスカイラーに心底惚れてしまっており、永遠にループを繰り返してもいいよね…なんてムードになるのは全く共感が出来ません。さっさとその腐れビッチも始末してくれよとしか思えない。何ならラッセルとミルトンの2人でコンビを組んでくれた方がマシ。



それでもミルトンが見事な仕掛けでスカイラーの裏切りをあぶり出すシーンは素晴らしい。あれは予想できなかった。しかし、せっかくスカイラーが裏切者だと分かったのになぜ最終的に愛を貫いてしまったのか? あれは到底納得できません。あのクソビッチのどこがそんなにいいんだ。ロシアンルーレットを提案して即死したラッセルの方がよほど性根はマシな奴だったというのに。まあそれでもスカイラーには救いのないオチだったので後味はそんなに悪くなくて良かったですけどね。


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