「フェイク・マザー」 感想 他人の母に成り代わる看護師

概要

原題:The Wrong Mother

製作:2017年アメリカ

発売:アマゾンプライムビデオ

監督:クレイグ・ゴールドスミス

出演:ヴァネッサ・マーシル/スティーヴン・スネッデン/ブルック・ネヴィン


ケイリーンはパイロットの夫と双子の子供を持ち、4人で幸せに暮らしていた。だが、ある時ケイリーンは車にはねられて重傷を負ってしまう。彼女は入院中に世話してもらった看護師ヴァネッサを雇い、退院後も在宅看護をしてもらうことに。しかし、ヴァネッサはケイリーンから家族を奪おうと企んでいたのだった。


予告編

感想



アマゾンプライム配信のサスペンススリラー。

テレビ映画的クオリティですが、アマプラの中ではかなりいい方でした。

字幕には結構気の抜ける誤字が目立ちましたが。

それにしても、最近のアマプラ配信作はこういう女同士の戦いが多いな。



パイロットの夫と二人の子供を持ち、幸せに暮らしていた富裕層の女性ケイリーンが車にはねられ重傷を負ってしまう。病院で親切にしてくれた看護師ヴァネッサを退院後もそのまま在宅看護師として雇うが、実はヴァネッサはケイリーンから家族を奪う計画を立てていた…という話。


どうでもいいんですが、ケイリーンの一家が絵に描いたような幸せ一杯な家族で観ていてちょっとイラッとします。夫がパイロットとあってかなりの豪邸に住んでいる。4人家族でそんな広い家に住む必要あるか? まあアメリカ人はみんな無駄に広い家に住んでるイメージはありますが、プール付きの庭はさすがにブルジョワの証でしょう。


しかも、ひき逃げでケガをして入院するのはまあいいとして、退院後も自宅で看護してもらうために専任の看護師を住み込みで雇うというのもとんでもなくブルジョワジーな行いではないでしょうか。アメリカの保険制度なんて元々アレなんだし一体いくらかかっているのか。



そういう家族が実際にいるかどうかは別として、フィクションの中で現れてくると彼らがいかにして絶望のズンドコに突き落とされるのかと楽しみになってきます。


今回はその在宅看護師ヴァネッサがケイリーンの夫と子供を我が物とすべく画策するという話ですが、そんなに巧みな計画というわけでもなくわりとゴリ押しな印象。まあ家族を奪うとか初めから無理がある計画ですが。そもそも外傷なのにあれだけ大量の薬を飲ませてくる時点で少しは怪しめよと思わないでもない。というか看護師とはいえロクに知りもしない得体のしれない人物を一緒に住まわせてつきっきりで介護させるというのも、いかにも隙だらけです。人の害意に晒されたこともない純真無垢なブルジョワ一家なのか。そして金さえあれば何でも買えると思っている。これは破滅しても当然かもしれませんね。



とはいえケイリーンたちが破滅するほど酷い目に遭わされるかっていうとそれほどでもなく、まあヴァネッサはかなりのサイコ看護師ですが結局一人しか殺してない。クライマックスでもテレビ映画のサスペンスとしては常識的な範疇に収まる攻防が繰り広げられ、それなりに驚けなくもない動機が明かされる等、まあまあそれなりに楽しめます。ブロガー的にはもうちょい尖った何かが欲しかったところですがね。

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