「ザ・パクト 白蜘蛛の呪縛」 感想(ネタバレあり) 身内の命を他人の死で補う 

概要

原題:El pacto

製作:2018年スペイン

発売:プルーク

監督:デビッド・ビクトーリー

出演:ベレン・ルエダ/ダリオ・グランディネッティ/ミレイア・オリオール/アントニオ・ドゥラン


弁護士のモニカは夫と別居し、糖尿病を患っている娘のクララと2人で暮らしていた。だがある日、クララが昏睡状態で発見される。娘に何があったのか、モニカはその足取りを辿って見つけた古い工場へ入ると、謎の男に契約を持ち掛けられる。それは愛する者を救う代わりに、白い蜘蛛が指示する人間を身代わりに死なせなければならない協定だった。


予告編

感想



ゲオ先行レンタルのスペイン映画。

映像と音は劇場公開してもおかしくないくらいお金がかかってる雰囲気はありましたが、何とも地味な映画でした。



糖尿病で昏睡状態に陥った娘クララを救うため、謎の男と謎の契約を交わしたモニカ。

だがそれは見知らぬ他人の命と引き換えに娘を生かすという協定だった。



愛する者のためなら、見知らぬ他人を犠牲にしても構わないのか?

っていう話なんですが、知らん人を積極的に殺さねばいけない苦悩が描かれるというよりはたまたま死にそうになってる人を見捨てるか否かといった感じなので結構マイルドな方です。悪くはないんですが正直大して怖いわけでもなく、画面も内容も終始陰鬱すぎる単調さであんまりグッと来るものはありませんでした。尺も1時間45分と長めでちょっとダレます。



ターゲットとなる他人には白い蜘蛛が這っているのですが、あの蜘蛛がどういう存在なのかもいまいち分からず。スペインでは有名な都市伝説だったりするんですかね。なんか白い蜘蛛というよりはザトウムシみたいな頼りない外見でしたが。蜘蛛恐怖症の私から見てもあんまりキモくない。その白いザトウムシに指示されたターゲットを制限時間内に死なせなかった場合、救いたかった人が木の根っこみたいな超常的な何かに包まれて死んでしまう。のですが、そこはワラワラと蜘蛛がたかってくるとかそういうもっとおぞましいビジュアルで死の恐怖を煽ってほしかったかな。どっちみち死ぬ運命にある人なんだからリスクを背負った分悲惨な死に方をしてくれないと割に合わないような気がします。タイトルに蜘蛛と入っているわりにはいまいち蜘蛛の存在感が薄くて物足りないし、いうほど恐ろしい呪いという感じもしなかった。



あと、ラストがちょっと理解できなかったですね…

死なせないといけない誰かを殺しきれなかったのだから、娘は助からないはずでは?と思うんですが、なぜか砂時計がギリギリで停止しハッピーエンド(?) まあ人としては当然殺さない方が正解でしょうし善人が報われるエンディングでも別にいいとは思うけど、代償が何もないのではあの協定の意味がないのでは…。それとも私がよそ見してる間に何か見逃したかな。


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