「サバイバル・デスゲーム」 感想 演劇式チームデスマッチとは

概要

原題:Die in One Day

製作:2017年イタリア

発売:アマゾンプライムビデオ

監督:エロス・ダントナ

出演:カテリーナ・コルチンスカ/デヴィッド・ホワイト/ミルコ・ダントナ


娘の親権を粗暴な元妻とその恋人に奪われ、嘆いていたリチャード。彼が酒場で飲んでいると、サーシャという女が非合法の演劇大会への参加を持ちかけてくる。高額な賞金につられて飛び入り参加したリチャードだったが、それは演劇ではなく命を懸けたデスゲームだった。


予告編

感想



アマゾンプライムの謎映画ですが、先月末に追加された分をようやく消化したと思ったらまた9本も新たに追加されてしまいました。

もう勘弁してください…と言いたいところですが、11月はどうもレンタルDVDの方が著しく不作なので観る物があんまりない。こうなるとゾンプラの謎映画だろうが糞映画だろうが、提供されたものをありがたく頂くしかなさそうです。



ということで今日はこのイタリア製インディーズホラー。

二日連続でイタリア映画とは珍しい引き。

どうでもいいけど、全くやる気のない邦題ですね。

さらに、久しぶりに目にする「ITN distribution」のロゴに絶望の念が滾々と湧き出てきます。これは約束された敗北のクソ映画の証。今日はどこまで酷い目に遭わされるのか。電気椅子に座らされたような気分になってきました。



ところが、観てみると意外にもそれほどつらくはありません。

いや、ひどいことはひどいんですよ。演技とかBGMとか。

しかし口当たりは良く、軽くてサクサクしておりさほど強い臭みもなく、ボリュームも控えめなのでわりと楽に完食できる。飲み込むのにそれほど苦痛を伴わない。これはアマプラ謎クソホラーとしては明確な美点です。



では、具体的な内容ですが…

娘の親権を取り戻すためにまとまったカネを欲していた男リチャードが、バーで出会ったサーシャという女に賞金の出る演劇大会があると誘われてホイホイついていったらマスクド殺人鬼たちに追い回されるデスゲームに参加させられた。

という至極ありがちな話です。


しいて言えば「演劇式チームデスマッチ」とか何とかのたまってるところにわずかなオリジナリティを感じますが、別に演劇なんか全然関係ないのでやっぱりただのデスゲームでした。



そのデスゲームは例によって金持ちが鑑賞しており、主催者は


「ひねりがないと観客に楽しんでもらえない」

「ハンターはクリエイティブな方法で楽しませなければならない」

「粋な方法で消すこと」


などと、「わかっとるやん」と頷きたくなるセリフを連発してくれます。

自らハードルを上げていくスタイル。

これは期待できるかもしれない。



…と思ったんですが、いかんせん参加人数が4人しかいないうえ1人はデスゲームだと分からせるために真っ先にサクッと瞬殺されたので実質3人のみ。いや、量より質だろうと思い直しても、1人は後ろからザクッと刺殺されて終了。これの一体どこがクリエイティブで粋な方法だというのか? やっぱりただの大言壮語なのか?


しかし、1つだけクリエイティブかつ粋、ひねりのある殺害方法が出てきます。

それはハンガーを首に突き刺して頸動脈を破り殺すという人類史上例のない方法です。

いや、刺さらんだろ…

ハンガーといっても凶器として使える特殊なハンガーでもなく、単なる普通のハンガーなので先っちょが鋭利にはなっておらず普通に丸っこいので刺さるわけがない。前例のない殺害方法を見せてくれた心意気は買えますが、ちょっと無理がありましたね。


しかしまあ、このレベルならアマプラ謎ホラーの中ではギリで当たりと言っていい部類ではないかと思います。


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