「ブラック・クリスマス」 感想(ネタバレあり) 男ってクソだよね

概要

原題:Black Christmas

製作:2019年アメリカ

発売:NBCユニバーサル

監督:ソフィア・タカール

出演:イモージェン・プーツ/ブリタニー・オグレイディ/ケイリー・エルウィス/リリー・ドナヒュー/アリース・シャノン


クリスマス休暇を満喫するホーソーン大学の学生たち。

だが、どこからか黒いローブと仮面を被った殺人鬼が現われ、学生たちを殺し始めた。


予告編

感想



この前「アングスト/不安」を見に劇場へ行った時、「サイレント・トーキョー」なる新作邦画の予告編があったんですがね。その入り方がこうだったんですよ。


「クリスマス・イヴ 東京」


「誰もが幸せに包まれる日」


「平穏な日常が 終わる」



いや~…クリスマス・イヴの日って誰もが幸せに包まれる日なんですかそうですか…って、一体何をバカなこと言っているのか?んなわけねえだろうが!!と激しく叫びたかった。なんとふざけた予告編なのか。これだから邦画は全くよお。学生の頃はまだただのどうでもいい日に過ぎなかったけど就職してからはイヴの日なんか仕事しかしてないしバカ騒ぎする奴らのおかげで無駄に忙しいから大体くそったれ残業地獄だしろくでもねえ一日でしかないんスよ。なのに勝手に「誰もが幸せに包まれる」なんて決めつけてんじゃねえやチクショウめが…。それともこれは東京限定の話ですか? 地方民のイヴの日は不幸に包まれる日だと受け取っていいんですか?


つーか、その辺を歩いていて外国人に「アナタハ神ヲ信ジマスカ?」って話しかけられたら大抵の日本人は内心「ウザッ!」っていう反応すると思うんですがね。そんで作り笑いを浮かべながらノウノウ言って逃げるでしょう。そんな筋金入りの無神論者共がどのツラ下げてキリストの生誕祭に幸せを感じようなどとのたまえるのか。図々しいことこの上ない。


クリスマスなどという禍々しいイベントはハロウィンと同じく、殺戮と臓物にまみれた恐ろしい殺人鬼やモンスターが襲ってくる鮮血の祝祭日であるというのがあるべき本来の姿なのです。


なので私もクリスマス近辺は毎年「悪魔のサンタクロース 惨殺の斧」だとか「サタンクロース」などといったリアリティあふれる現実的なサンタホラーを鑑賞しているのですが、今年はちょっと早めのクリスマスプレゼントが贈られてきました。それがこの「ブラック・クリスマス」です。


本作は「暗闇にベルが鳴る」(1974年)のリメイクだそうな。私はオリジナルを見た事はありませんが、クリスマスに殺人鬼が襲ってくるというだけで充分です。クリスマスが血の祝祭日であることを示してくれればそれ以上の贅沢はいいませんよ。



……

……

……と思ったら、なんだこのめちゃくちゃつまらん映画は!?

レーティングを気にするあまり残酷描写がソフトになりすぎている…。刺すシーンとか全然見えん。血もろくに出ない。スラッシャーホラーとしての醍醐味はほぼ皆無なレベル。前半は何も起こらなさ過ぎてくそダルい。


それだけならまだいいけど、内容が完全に

「男尊女卑カルト集団 VS フェミニスト活動家」

となっており、クリスマスが全然関係ないことになっています。

本作を観ていると女性は尊い生物であるが、野郎はただの汚物であると言われているような気分になってきます。なんだこの偏りまくった思想は。なんでこんなもん見せられてるんだ。監督は女性みたいですが。いいのかそれで。


突っ込みどころも満載で、特に主人公と友人が殺人鬼から逃げた時、

「警察へ行こう!」からの

「警察に行ったって信じてもらえない!それより呪いの銅像を破壊しなきゃ!」

というやりとりは頭が痛くなりました。

警察も男社会だから駄目ってことですかね。

にしても急に呪いの銅像とか言われてもついていけないんですが…


フェミニスト活動家の方であれば快哉を叫ぶような快作なのかもしれませんが、そうでない人にとってはどうしようもない愚作……いやケッ作なのでクリスマス・イブの夜にご家族やごカップルでのご鑑賞を強くオススメしておきます。


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